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物販店を営む際に重要なポイントの1つに、商品を並べる什器の配置方法があります。
一般に商品のディスプレイは、いくつかの要素を念頭に置いて検討する必要があります。まず、店の“推し商品”や商品バリエーションを来店者に向けていかに訴求するか。さらに、展示する商品数、展示とストックのバランスをいかに取っていくか、なども調整しなければいけません。業態や商品特性、対象顧客によって方向性は異なりますが、いずれの場合も、ディスプレイの効果や効率性は展示什器によって大きく左右されます。
路面店の場合は、外を通る歩行者に対する商品の見せ方も重要になります。ショーウィンドウのように歩行者を特に意識したディスプレイはその一例ですし、売り場構成によっては店舗内の壁面を効果的に用いて空間の奥行きを感じさせながら商品を見せていく方法も考えられます。
ここではマルゲリータの「Shelf 壁一面の本棚」を用いて商品を展示した事例をご紹介しましょう。
ずらりと並ぶジャケットが目を引く、シェア型書店の音楽版
2022年9月、東京の西荻窪に路面店「シェア音楽棚 tent」様が開業しました。外から室内をそのまま見通せる店舗の2面の壁を埋め尽くすように、3台の「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を組み合わせています。
最近、シェア型書店という新しい業態が広がっています。複数のオーナーが個々に本棚のコマを借り、思い思いの書籍を並べて販売する方式です。棚単位で構成する小さな書店が集まって、シェア型書店という1つの書店を形成していくわけです。「シェア音楽棚 tent」はそうしたシェア型書店の音楽版で、2面の壁に設置された各棚にはレコードやCDがずらりと並びます。オーナーに貸し出す本棚は、L字形の壁に沿って天井いっぱいまで立ち上げました。
ディスプレイで目を引くのは、上段横1列に並んだアナログレコードのジャケットです。アナログレコードの大きな魅力の1つであるジャケットの表紙を印象的に見せることで、商品の存在をアピールしつつ店独自の雰囲気を生み出しています。その下に続く棚には、背表紙を見せる、ジャケットを見せるなど多彩な方法で多数のアナログレコードやCDを展示・収納しています。
「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」は、もともとアナログレコードの収納も前提に開発した商品です。背表紙を見せる形で並べれば、1つのセルに70枚ほど収納できます。この店では「最大限に収納する」「ある程度の余白を残してポップアップアイテムを置く」「ジャケットを見せる」というように、多様な使い方で収納と展示を両立できるようにしています。
ディスプレイ上のもう1つの工夫が、棚の縦板に取り付けたウォールフックです。ウォールフックに棚(店)ごとのサインを吊るして、展示されたレコードやCDの場所へ分かりやすく誘導しています。
なお、L字形の本棚の角部分にはコーナー役物を使用しました。コーナー役物を用いると、表からは隠れたコーナー部分にも物を置けるため、店内にデッドスペースが生じず、限られた空間を効率的に活用できます。
和雑貨の展示と収納を両立
「ミニチュアハウスと和雑貨のお店・和雅家」様の東京・隅田区にあった店舗です(現在はデックス東京ビーチ内に移転)。2017年、「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を展示什器に導入されました。当時の様子をご紹介します。
和雅家様は、昭和レトロな「お店」「屋台」「駅」の模型キットなどを販売しています。手先の器用な店主による手作りの模型は、商品樹脂系の材料をほとんど使わずに波段ボール、竹籤、紙類を上手に組み合わせた心温まる風合いのものです。購入した人は、手順書に従って組み立てていきます。
店内に設置した「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」には、模型の完成品と販売用のキットが並びます。完成品は本棚のセル内にちょうど良く納まり、セル自体が模型の背景となって1つの小劇場空間を作り出すかのように見えます。このほか販売姿のキットと在庫品も収めています。
ここでは、商品のキットと完成品の姿を「見せる収納」として展示する一方で、在庫品は「ファイルボックス1列」を用いて「見せない収納」の形式を利用しています。セルの内寸に対して完成品の大きさが狭すぎず、大きすぎず、程よいサイズ感で収まっていることが、こうした棚の活用を可能にしました。
多彩な店舗づくりに対応可能
物販店の什器は、商品の展示にも収納にも使いまわせる仕様になっていると便利です。その点、マルゲリータの「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」は深い奥行を備えているため、商品によっては展示にも収納にもうまく活用できます。
また、本棚に背板がないという特徴を生かし、壁面や窓面を棚として効率的に使いつつ視線を遮らない店づくりも可能となります。例えば、ブランド戦略の一環で店内の壁の色を効果的に見せたい場合、「Shelf 壁一面の本棚」なら棚越しに壁の色がそのまま立ち現れます。窓際に本棚を置いた場合でも、ガラス面と本棚を通して外から店内を見通せます。「Shelf 壁一面の本棚」は縦板と横板が整然と並んでいるため、扱っている商品の大きさや形・色が多彩でも、室内空間に一定の規律が生まれるというメリットもあります。
「Shelf 壁一面の本棚」のもう1つの長所は、内装工事が不要という点です。壁面全体を活用できる本棚でありながら基本的には室内に置くだけで設置できるため、大きな負担なく展示什器の配置換えや店の改装・移転を進められます。デスク付き、ロータイプ、キャスターベース付きなど多彩なシリーズ商品も揃っているので、業態、店舗の面積や商品構成に応じた作り込みが可能なことも、ユーザーから支持をいただいているポイントです。
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