TOPICS
31
住宅やオフィスの窓にはさまざまな種類がありますが、床面の高さから立ち上がる「掃き出し窓」と下側に壁がある「腰窓」が主なタイプです。掃き出し窓は外へ、特にマンションであればベランダへの出入り口としても利用でき、腰窓は窓下の壁部分に棚や机を置いて利用しやすいのが特徴と言えます。
窓は光や風を取り入れる機能を持っているため、室内に本棚を置く際には、窓を避けて配置するのが一般的です。腰窓がある部屋ではその下を上手に使いこなすことで、部屋全体の収納力はぐっと高まります。
マルゲリータの「Shelf 壁一面の本棚」は、天井下や梁下に収まる縦7コマ(高さ2400mm)と縦5コマ(高さ1720mm)のタイプのほか、縦3コマ(高さ1064mm)や縦2コマ(高さ724mm)のロータイプを標準に用意しています。窓の形に応じて両者を組み合わせれば、室内の壁面を生かしきり、収納力と使い勝手を兼ね合わせた本棚をつくることが可能です。
ここでは、腰窓を備えた室内における「Shelf 壁一面の本棚」の活用事例をご紹介しましょう。
窓と室内の凹凸を回避したL字形のリビングボード
マンションにお住まいのお客様が、リビングダイニングの壁に沿って「Shelf 壁一面の本棚」を導入されました。腰窓が設けられているこの壁面は、柱型や配管による出っ張りが複雑に組み合わさっています。こうした凹凸と腰窓をうまく回避しながら「Shelf ロータイプ本棚」と「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を並べ、全体としてL字形の壁面収納をつくり出しました。ロータイプの本棚の天板は見付け寸法とサイズを隣の本棚に合わせているため、左右の本棚が一体化して見えます。
腰窓の下に設置したのは「Shelf ロータイプ本棚」です。縦2コマの既製品を、そのまま加工せずに用いました。天板の上にはスピーカーや照明スタンド、額や小さな置物などが並び、ちょっとしたディスプレイ台となっています。天板から腰窓の高さまで少し距離があるため、腰窓の下の壁面がディスプレイの背景として機能する効果も生まれています。
右側に続く背の高い本棚は、「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」をベースに特注したものです。横の並びを4コマとしたうえ中央2列分の幅を調整し、梁下の壁面にぴったり収まるようにしました。左最上段の1コマを削り、配管の出っぱりにも対応しています。近くにはソファとフロアスタンドが置かれ、落ち着いた雰囲気の一画を構成しています。
ロータイプ本棚では、収納の方法もディスプレイを強く意識したものになっています。
セル内は、表紙が見えるようにビジュアル性の高い書籍を置き、書類や細かなものは引き出しを組み込んだ「専用カセット」と無印良品の白いファイルボックスに収納して隠しています。その効果でセルまわりがすっきり見え、天板上に置いた小物の存在をより引き立たせています。
ここで用いた「専用カセット」は、「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」など奥行350mmのシリーズに利用できる製品です。インナーボックスや引き出し収納、仕切り板など様々な用途に応じたタイプを用意し、日用品、雑貨、文具、あるいはファイル類の“見せない収納”に活用できるようにしています。専用カセットは本棚のセルにはめ込むだけという仕様のため、別のセルへの移し替えも簡単にできます。
2台を組み合わせ、窓を生かした壁面収納に
都内の戸建て住宅で、家族共有のストレージスペースに活用された事例です。腰窓の左側と下側の壁に沿って「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」と「Shelf ロータイプ本棚」を組み合わせ、窓を生かしながら壁面収納を生み出しています。
この部屋は、家族全体の「すぐに使うものの物置」として使われています。キャリングバッグやスーツケースなどを収納する既存の棚が壁沿いに置かれ、これと直交する壁に本棚を追加しました。物置といいながらも開口部をそのまま残して十分な彩光を確保しているため、居室と同様の明るい環境の中、仕事にも利用できる空間となっています。
腰窓の左に続く壁に設置した縦7コマ×横2コマの本棚は、「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」をベースに特注しました。コマの幅を少し広げて壁の幅に合わせています。窓下の「Shelf ロータイプ本棚」は、縦2コマ×横5コマの既製品をそのまま用いています。ロータイプの本棚の上にはプリンターなどを置き、さらにその上の窓台にはかわいい小物を並べて室内の雰囲気を柔らげています。
縦7コマの本棚では、コンセントプレートまわりの縦板を欠き込む処理も施しました。お客様が正確に測定されたコンセントの位置に合わせ、プラス10mmの余裕を見て縦板を加工しています。窓だけでなく、部屋に備わっているコンセントやスイッチなどの機能を損なわずに本棚を設置できる点もマルゲリータの「Shelf 壁一面の本棚」の特徴です。
収納面では、カセット方式の「本棚の中の棚」を用いて大量の書籍を保管できるように工夫しています。奥行350mmの本棚の場合、教科書などに使われるA5判、単行本に多いB6判や四六判の書籍を前後に並べられますが、そのまま置くと後ろ側の書籍の背表紙がほとんど隠れてしまいます。「本棚の中の棚」を使えば後列が少し高くなって背表紙の上部が見える状態になり、後列に並べた書籍を埋もれさせることなく収納できます。
1台の本棚をL字形に特注加工
1台の「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を、腰窓の位置に合わせてL字形に特注加工した事例です。都内にあるマンションの一室に導入いただきました。
室内は白いクロス張りの天井と壁を基調としつつ、入り口から見て左手の壁に設けられた腰窓と、入り口正面のアクセントウォールが個性的な印象を与えるインテリアとなっています。腰窓はダークブラウンの窓枠とライトブラウンの窓框を備え、アクセントウォールにはブリックのようなパターンをプリントした壁紙が施されています。
本棚は、腰窓のある壁に設けました。窓をふさがないことを第一に考えて、右側を大きくカットしたL字形の形状としています。窓下部分は縦2コマ×横5コマのローカウンター状とし、窓の左側の本棚は梁下まで立ち上げています。なお、窓のすぐ横にはエアコンスリーブが設けられ、ここをふさぐと将来エアコンを取り付けることになった際に干渉してしまいます。そこで梁下までの本棚は横2コマにして、エアコンスリーブをそのまま生かす仕様としました。また、梁下の高さに合わせるために最上段の棚板をカットして、縦6コマに調整しています。剛性を確保するためのブレース材は、最上段の2つのセルと最下段の左右端部のセルに入れました。こうして、窓をよけつつ、マンションの柱と梁が作り出す複雑なスペースにぴったり収まる本棚が出来上がりました。
マルゲリータの本棚は縦横の棚板を嵌合させて組み立てるため、通常は棚板の端をボルトで固定します。この場合、板面にボルトが見えてきますが、ここでは窓下部分をカウンターとして用いるために天板の仕様を特注加工としました。通常の嵌合方式ではなく、ダボによる落とし込みを採用してフラットな面を生み出しています。
入り口から室内を見ると、フローリングの木のライン、天井に走る梁のライン、窓枠、窓にかけられたブラインド、壁紙の模様から浮かび上がるボーダーラインなど、直交する直線がいくつも登場します。こうした空間の中で、等間隔に並ぶ本棚の縦板と横板のラインが整然とした印象を与え、さらに4つのブレース材の斜めの線が視覚的なアクセントとなっています。
TBSドラマ「ユニコーンに乗って」のオフィスに登場
2022年7月から9月まで、TBSで火曜ドラマ『ユニコーンに乗って』が放映されました。ドラマの舞台となったのは、主人公が起業した教育系スタートアップ企業「ドリームポニー」です。同社のオフィス内に、窓を囲むような形でマルゲリータの「Shelf 壁一面の本棚」が採用されました。
窓際の細長いスペースは執務フロアから2段上がった小上がりになっていて、縦長の腰窓が規則的に並んでいます。本棚は、縦2コマ分の低層の基壇部分と天井まで続く縦長部分を組み合わせた形状とし、この腰窓をかわしながら壁面を埋めるように配しました。窓が本棚をくり抜いて設けられている様にも見え、まさに本棚と窓が一体となった壁面デザインとなっています。
このオフィスでは、本棚の他にも「BLC 収納ボックス」「Piega CL ブックスタンド」「Ladder マガジンラック」といったプロダクトが随所に用いられています。
窓をそのまま生かすか、背後から光だけ通すか
窓のある壁面にマルゲリータの「Shelf 壁一面の本棚」を設置する場合、窓との関係性は2種類考えられます。今回紹介した事例のように窓をそのまま生かすか、あえて窓の手前に本棚を置いてセルを通して光を室内に導き入れるか、です。窓を開け閉めする必要がある場合には「そのまま生かす」方法を採用することになりますが、開け閉めにこだわらなければ「あえて手前に置く」方法も可能です。「Shelf 壁一面の本棚」は背板がないため、窓の手前に置いた場合にも外からの光を通すことができる点は大きな特徴と言えます。
また、窓を回避して本棚を配置する場合は特に、窓や壁の寸法、梁や配管の凹凸などに応じて棚の形を調整することが効率的な収納づくりのために重要なポイントとなります。その点、「Shelf 壁一面の本棚」は細かい寸法や形状の特注加工が可能で、コンセントやスイッチがある場所では縦板を欠き込む処理も行います。窓を回避しつつ、設置する部屋にぴったり合わせた本棚をご提供できます。
このトピックスの関連プロダクト