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アクセントウォールは、室内デザインにおいて一部の壁面に異なる素材や色彩を取り入れる手法で、空間にアクセントを加えることができます。一般的に主要なカラースキームとは異なる色や柄を使用しています。これにより、その壁が強調され、空間にダイナミックな視覚的効果をもたらします。
また、異なる素材を用いて質感や表情を変化させることも可能、例えば、レンガ、木材、タイル、壁紙などの素材を組み合わせることで、空間に深みや温かみを与えます。
アクセントウォールとは
新築やリノベーションの際には、壁の仕上げ材料としてクロスを選ぶのが一般的で経済的にも合理的な選択です。内装に予算を割くことが難しい状況でも、真っ白なクロスを選んだり、パターン入りの洗練されたクロスを選んだり、目を引く色のクロスを選んだりしても、同じクオリティのものであれば価格はほとんど変わりません。
価格と手間が同じであれば、無難な白ではなく、少し個性を出すことが良いと考えられます。これは、狭い部屋を広く見せるための手段や、長方形の部屋を正方形に近づけるための方法の一つです。さらに、アクセントウォールには、おしゃれさを演出するだけでなく、部屋を広く見せたり、冷たく(あるいは暖かく)見せたり、家具の質感をより引き立たせるなど、多くのメリットがあります。
マルゲリータの本棚、アクセントウォールを背景に使う
背後の壁が見え隠れする
マルゲリータの本棚には背板がありません。そのため本棚に何も入っていないと、あるいは並んでいる本の上部に隙間があるとその背後の壁は本棚を通して視界に入ります。これは当然の様で実はこれまでにはなかった室内の構成です。基本的に室内の壁の色は白色がほとんどです。そこを均一に並んだグリッドラインが切り取り、その切り取られたラインの中に書籍の背表紙が並び、更にその書籍の空隙を通して背後の色彩が施された壁面が浮かび上がる、といった独特の構成がその白い室内に浮かび上がります。
アクセントウォールを背景に置いた実例
File676 赤いアクセントウォールを背景に
一際目を引くのが、鮮やかな赤のアクセントウォールです。このアクセントウォールには格子状の本棚が配置され、書籍が収納されている一部分以外は抜けた空間となり、背後の赤い壁がそのまま現れています。この切り取られた部分と、本棚に向かって左側に残されたわずか1m弱の壁面との対比が、美しいバランスを生み出しています。
写真:本棚 SLF 壁一面の本棚 奥行250mm
File484 夫婦共有の書斎で
ご夫妻共有でお使いいただいているこの書斎のアクセントウォールの色調は、黒に近いダークグレイです。この深みのあるダークグレイが背景となることで、書籍や本棚のフレームが非常に際立ちます。本の上端に連続する凹凸が、まるで切り抜かれたかのような形状で、その残された部分が壁の構造を微妙に表現しています。
写真:本棚 SLF カウンター+スタンディングデスク付き本棚
File421 高い位置の窓に合わせて壁面収納を調整する
異なる色調を持つ壁面に、壁一面の本棚を配置することで、本来のアクセントウォールが際立ちづらくなります。そこで、背板のない本棚セルの中から微妙に覗く「部分」の集合体が、そのまま残されたスペースと寄り添って壁面を繊細に表現しています。
写真:本棚 SLF 壁一面の本棚 奥行350mm(開口特注)
File473 背板の一部を鏡に替える
ここでは開口部の上部にミラー背板を取り付けるアプローチを採りました。このミラーが生み出す効果は予想以上に驚くべきもので、まるで窓が存在し、その向こう側の空間が広がっているかのような錯覚を生み出します。ミラーによる空間の広がりと、透かして見える微かな色彩が、部屋全体に奥行きを与える独特な効果をもたらしています。
写真:本棚 SLF 開口部のある本棚
File493 陽の当たるリビングの吹き抜けに
吹き抜けの真下に広がる青系のアクセントウォールが、背景となり、リビングルーム内に本棚が配置され、ディスプレイ棚として活用されています。特にこの季節は、クリスマスが近づく中、外は寒さが厳しくなる時期であり、吹き抜けから差し込む陽光が温かな室内を照らし、視覚的にも心地よい雰囲気を醸し出しています。
File409 アクセントウォールを背景に
本棚の背板が、棚板を通して透けて見えてきます。この特定の事例では、ブルーグレーのアクセントウォールの前には、大きな本棚が配置されています。壁の色調と、明るい棚板の色が鮮やかな対照を生み出し、そこからはクールで洗練された雰囲気が漂っています。
写真:本棚 SLF カウンター付き本棚
File788 2色で塗り分ける
この本棚は、縦材と横材に基本的には異なる色調が施されています。クールグレイが背面のアクセントウォールとなる壁のグレイ色に自然に溶け込んでいるため、空間にはビビッドなオレンジの水平ラインが効果的に浮かび上がります。これにより、色彩の調和と統一感が生まれ、視覚的に興味深い構成が実現されています。
写真:本棚 SLF 壁一面のA5判本棚 奥行180mm(お客様にて塗装)
考察
切り絵の様な壁
マルゲリータの本棚には背板がなく、背面が開放されています。この特徴により、本が整然と並ぶ時や何も収められていない時に、背後の壁が透けて見えるため、通常の室内構成とは異なる新しい空間演出が生まれます。
背景となる室内の壁はアクセントウォールとして様々なデザインを擁しますが、均等に配置されたグリッドラインが秩序を保ち、その中に美しく書籍の背表紙が配置されます。書籍の背表紙は、グリッドによって整然とした印象を与えつつ、白い室内に鮮やかに映えます。
特筆すべきは、このアクセントウォールが部屋内で占める面積が限られており、視界に現れる時間が短いことです。このため、独自の構成がより際立ち、瞬間的な美しさが強調されます。
実例に関連するプロダクト
またお部屋に合わせてカスタムしたい場合は設置場所の情報、本棚のプランをお問い合わせいただけましたら図面とお見積もりを作成いたします。
詳細はカット・オーダー加工ページをご覧ください。