大阪の閑静な住宅にお住いのお客様、ご夫婦での共有の書斎の壁3面にマルゲリータの壁一面本棚がレイアウトされています。。
床面から一段上がったDENを右手に見て奥に進むと「Shelf 壁一面のA5判本棚 奥行180mm」が直角に並べられた空間に入ります。さらにその本棚のセルに合わせて窓の位置も決められたという気持ちのいい空間です。もう一面を見ると「Shelf 開口部のある本棚 奥行350mm」が置かれ大きく抜かれた開口部に大きなワークデスクと大型モニターが置かれています。
DENとは
DENとは一般的には書斎や仕事部屋など主に男性のための家の中の私室を意味する言葉です。DENは、英語で巣や洞穴などを意味し、隠れ家、密室、巣窟などの意味でも使われます。趣味を楽しむプライベート空間という意味合いで使用されます。また不動産的な用語では、部屋と呼ぶには狭い、少しだけ籠れる空間といったニュアンスで使われますが、広さや形に明確な定義があるわけではありません。間取図では、土間スペースや多目的スペース、納戸、サービスルームなどもDENと表記されていることがあり、雰囲気的な呼び方ともいえます。
上記の様に家族とDENの関係はリビング周囲のアルコーブ的なスペースをDENとしてそこを書斎スペースとしているケースはよく見かけます。一方で個室の一つを書斎としてお使いになっている場合にそこをDENとはあまり言いません。雰囲気的な呼び方と部屋と呼ぶには狭すぎる、仕切られていない、という要素がいつの間にかDENを本来の意味から違ったニュアンスに移行していった様にも見えます。
本件のDENはその様に派生的に作られたものとは根本的に異なります。設計段階からこの巣籠り的書斎を考え、しかも一人でなくご夫婦で使われるといったDENと言うよりもご夫婦のワークスペース、画家であればアトリエとも言える空間です。
そのアトリエ的なDENは本棚で3面を囲まれます。そのうちの1面は開口部付きの本棚として横3コマ分のスペースを開け、そこに大型ディスプレイを置きその前にデスクを置いてデュアルモニターでの作業を快適にされています。
本件のお客様はこのDENを作るにあたり窓の位置も本棚のコマの位置に合わせて決められるほど入念に検討して作られたもので、その結果として完成したまさにDENと呼ぶにふさわしい空間です。背面に天井までの壁一面の本棚を背負い仕事に集中できる場所です。
もう一つのDEN 和室
この濃密な作業空間に隣接する形で一段上がった位置に和室があります。本棚と資料に囲まれた濃い空間とは打って変った畳の間です。一段上がっているので奥の作業スペースに入る前にここに腰かけることも、仕事に疲れてここで横になることも出来ます。そこに立つと作業室を振り返って眺めることも出来ます。
「密」と「疎」、「動」と「静」とでも言うべき正反対のDENを並べることでこの一連の空間の質を一段高いものに昇華させています。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
SERIES22
3面本棚
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