富山県にお住いのお客様です。その戸建て住宅の2階の書斎に「Shelf デスク付き本棚」をお使いいただいています。
このデスク付き本棚のデスク部分は既製のサイズより延伸され、そこにJ.L.モラーのアームレスチェアを2台並べ、その2台の椅子が窓に丁度向かい合う様に計算された配置を取られています。本棚の反対側の壁面にはベッドが置かれ、それと並んで2Pのソファが置かれ、デスク付きの本棚とこのベッド、ソファで出来るL字型のセットが対を成すようにこの部屋を包みます。
本棚にはお子様の絵本も同居するややもすると煩雑な感じになりがちですが、その並べ方は簡素で、床のオーク材のフローリング、更には置かれた家具と相まって全体として品のある構成に昇華しています。
マルゲリータの本棚はその設置する壁面の巾木を避けるために縦板下部の壁側がデフォルトで切り欠いてあります。それにより本棚自体を壁面にぴったりと添わせ構造的にも見た目にも安定した納まりになります。しかしその側板が壁に面するケースも往々にしてあります。その壁面にも巾木があるためどうしてもその巾木の厚さ分側板と壁面に隙間が出来ます。これは納まり上やむを得なくその隙間は許容せざるを得ない箇所となります。本件でも実際その様になっています。
しかし本件の場合更にそこからデスク部分が延伸するため既製品のままだとそのデスクと壁面の間に同じだけの隙間がそのまま続いてしまいます。そのためここではその巾木の出寸法と同じ長さだけデスクの奥行を拡げデスクの端が壁にぴったりと合う様に加工されています。そして残った本棚と壁面の巾木分の隙間にはコード関連を通すスペースとして、そこを隙間だけではない機能を持たせた小さな空間として活用されています。
このお客様は鋼製建具メーカーでデザイナーとして働いており、その職業柄、常に細部にまで気を配ることが求められます。細部がしっかりと考えられ、きちんと納まることで、全体のバランスが自然と整っています。ここで見られる細部へのこだわりも、そうした職業で培われた配慮と技術に基づくものです。
ちなみに、このお客様は非常に手先が器用な方です。本棚のブレース板に置かれているフィン・ユールのイージーチェアやペリカンチェアの模型も、ご本人が手作りされたものです。また、もともとお持ちのYチェアのストロー部分が切れた際には、デンマークから素材を取り寄せて、ご自身で修復されたという話も伺いました。
北欧デザインのテイストが漂う清潔感のあるお住まいで、その空間にマルゲリータの本棚を採用いただいております。
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