京都にお住いのお客様です。マンションのリビングダイニングの一面、柱と梁に挟まれたアルコーブ的なスペースに「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」を設置いただきました。更に同じく「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」を書斎にも置かれています。それぞれの部屋で本棚の特徴を生かしながら機能的にお使いいただいています。
リビングダイニング
本棚の左側には回転式の本棚も置かれ、直交するキッチンカウンターの下にはロータイプのマガジンラックが配置され、大量の書籍がさりげなくコンパクトに収納されています。この本棚には、『萬葉集』や『源氏物語』といった古典の全集が整然と並び、その荘厳さが感じられます。さらに、その他の書籍も「本棚の中の棚」を活用されながら綺麗に整理されています。本の背表紙の控えめな配色、その手前に置かれたソファの青と緑の中間色のような柔らかな色合いが、室内全体に上品な雰囲気を醸し出しています。この配置により、書籍の存在感がありながらも、空間が過度に圧迫されることなく、心地よい姿が保たれています。
さらに、ソファ周りのデザインも工夫されています。ソファの柔らかな色合いは、室内の他の家具やインテリアとの調和を図り、全体の統一感を高めています。このような配慮が施された空間構成により、室内は落ち着きと品格を兼ね備えた場所となっています。本棚の回転機能やマガジンラックの配置も、利便性とデザイン性を両立させており、書籍を取り出しやすくしながらも、見た目の綺麗さを保っておられます。
書斎
リビングとは別に書斎があります。ここには以前からお持ちの本棚に対して直交する形で「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」が置かれています。こちらは最下段以外は文庫本が隙間なく置かれ、リビングとはまた違った精緻な気配が漂います。
文庫本が正面に2段重ねて背表紙を見せながら並んでいる状況には、実は少し違和感を覚えました。というのも、先ほどのリビングでも見られたように、「本棚の中の棚」を使って文庫本を雛壇状に配置する方法にこちらの目が慣れてしまっていたのかもしれません。一方で、このお客様がその存在を知らないとは考えにくく、現に下段ではその方法を使って文庫本を2段に収納されています。そのため、同じ収納量を確保するのであれば、正面に2段積みにするよりも、雛壇状に配置した方が背後の本が隠れずに済み、また取り出しやすさも違うはずです。この配置を見ると、背後にある本が全く見えなくなる点、また収納量は変わらないにもかかわらず、視認性に差が出てしまうために雛壇状の配置の方が実用的であると感じたのが正直なところです。
しかし背面に廻り込ませていただきその理由に納得いたしました。
文庫本は前面に透明アクリル板を挟んで2段積み、その背後はそのまま空けてハンドバッグや小物類といった外出時の持ち物をその背後に置かれています。セルの内部を雛壇状にしないで前面に並べる事によって出来た背面のスペースをこの様に活用しておられます。
また、その本棚自体は室内の梁下ぎりぎりの高さで設置されており、背後の壁面との間には十分なスペースが設けられています。このエリアは、本に囲まれた部屋の品格を維持するためのバッファゾーンとしても機能しているように見えます。使いやすさを考慮した秀逸な配置です。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。