福岡県久留米市の(株)小塩悟建築設計事務所様で「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」をエントランスの打合せコーナーと執務室の間仕切りとしてお使いいただいています。ここでは基本的な間仕切りと併せ、前面に大きなパネル、及び専用引き出し収納、観葉植物等を置かれその隙間から執務室内に穏やかに続く視認性のある間仕切りとして機能しています。
事務所の入り口から入ると、まずその斜めに振られた形で配置されているその本棚を使った間仕切りが目に入ります。斜めに、また壁に沿わせないスタンドアローンの形で置かれているケースは初めてです。本棚は天井の照明器具、空調機を避ける様にその位置を決め実際に現地でその位置を確認した状況で上部に天井までのフィラー板を挿入しそれぞれの縦材の上部に挿入、その摩擦力によって転倒防止の役割を担っています。
一方で執務室側からは大きなパネルの背面はまさに背板が付いた本棚の状態になり書類、資料等が並びます。専用引き出し収納は両面から使えるので打合せコーナー側と執務室側の両側から使えます。観葉植物等のオブジェクトも同様で両サイドから見る事が出来、それの置かれたセル内の空隙を通して空間が穏やかに仕切られています。
オフィスに於ける間仕切りにこの様な本棚を使う場合その転倒防止策が重要になります。フィラー板による転倒防止策はH型ジョイナー等の金物を使用して本棚の縦板を伸長して天井に充てる方法です。一般的な天井突っ張り棒の場合、突っ張り棒の底面が天井に置かれるだけの状態であり、本棚が横揺れすると突っ張り棒の上部が天井を押す形になります。しかし、オフィスビルなどの建物では、天井自体が上部から吊るされていることが一般的です。つまり、下から押すと天井が持ち上がるような構造です。この場合、突っ張り棒の効果は限定的です。一方、フィラー板の場合は、天井を下から押す力と同時に水平方向に摩擦力で引っ掛けるように押し戻す反力が生じます。特に、住宅のマンションなどの居室の場合や、コンクリートで仕上げた直天井や梁の下に取り付ける場合に効果的です。また、住宅の場合、天井の高さを最大限に確保するために天井の懐が小さくなる傾向がありますが、このような水平方向の引っ掛け応力にも効果的です。フィラー板により室内の中央に於ける本棚の転倒防止を行う場合にはこの天井下地がどの程度強固なものであるかの調査は必要です。
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