都内にお住いのお客様です。自ら設計された戸建て住宅のリビングダイニングスペースにディスプレイ棚として「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を設置いただきました。
ヤコブセンのスタッキングチェアの並ぶダイニングテーブルの背後の壁面、梁下ぎりぎりの高さに置かれたこの本棚にはプロダクトデザインの名作と言われているオブジェクトが並びます。その主な物はアレッシィ社のキッチンツールであるためダイニングテーブルと並んでいて違和感がなく、ほぼサイズを合わせる様にレゴブロックで出来たサボア邸、並びにこの家のデザイン模型もそのセルを埋めます。最上段には画像では見えにくいのですがリートフェルトの名作椅子のミニチュアも置かれ、サイズはもちろんのことその圧倒的なセレクトのセンスが光ります。
いわゆるプロダクトデザインの名作と呼ばれているものはロングセラー、ベストセラーという評価を超えたある意味時代を変えたデザインと言っても過言ではありません。そのジャンルも車(porsche 911)、バイク(vespa)、家具(eams)、食器(Alessi)、近年で言うと家電(i-pad、i-phone)なども含まれます。alessi社のキッチンツールはそういった立ち位置にあります。名作と言われるプロダクトはその絶対的な使い易さがフォルムに昇華しています。その名作を飾るに至ってはあくまでそれ自体が主役となる、不要な装飾が一切ない、更に定期的にディスプレイの配置を変えることで、新しい視覚的な興味を引き出し、製品を新鮮に保つ、この点が重要です。マルゲリータの本棚をこの様な名作の背後に配置していただいたことは、非常に光栄に思います。
このリビングは2階にあります。そこから1階に降りる階段にはイサムノグチのロングペンダントL8-PEN2-16が下がります。階段室の開口部に設けられた縦格子の隙間から見え隠れするこの正三角形の和紙を折り目で繋ぎ合わせた照明器具の名作はその高さ故一般住宅で見かけることはあまり無かったのですが階段室にこういう形で使われているのも理にかなった形です。
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