都内の戸建て住宅にお住いのお客様です。子供室の壁一面に「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を本棚を兼ねた壁面収納として導入いただきました。
ここでは、本棚に大きな開口部、具体的に縦3コマ×横5コマ、を設け窓の形を完全に保持した状態でその窓のある壁面に設置されています。開口部の上部のセルは縦1コマ×横5コマ分を3本の構造用の桁で支え、更に、正面左側の側板は24mmにサイズアップしてこの上部のセルの荷重を支えています。また、窓の下端の高さに合わせるためそこに接するセルの高さを調整、ちょうど文庫本の入る寸法に収め、そのサイズはそのまま右側のグリッドラインに波及、全体を引き締める形で収まっています。
壁面を余すところなく使う
開口部を設けた本棚側は、基本サイズが最大幅7コマの2400mmをベースに加工してあり、部屋そのもののサイズがそれより少し幅の広い面となるため、幅の狭い1列分の縦長の本棚を足すことにより壁一面を覆っています。その1列分の本棚も、開口部のある本棚のグリッドラインを受け継ぐことにより、全体として破綻なく収まっています。
最上段をフラットにする
本件では、縦板を伸長させて天井面に接する方法はとらずに、最上段に天板を設けてフラットな形で納めています。これにより、天井との隙間の陰影が細く強いラインで通り、その下にある一部モデュールを崩した形の本棚のグリッドラインを引き締めるかのように見えてきます。
子供の絵本や玩具を低い位置で収納する
下方2段は、お子様の絵本や玩具が収納されています。画像にあるようなそこから出されて今まさに床に転がっている玩具も「低い位置」に纏められている様子が分かります。低い位置に絵本や玩具を収納することで、子供は自分で取り出し、片付けることができるようになります。また自分で読書を楽しむ習慣を身につける機会も増えます。絵本が手の届く位置にあると、自分から本を選び、楽しむことが出来ると言われています。読み終わった本を仕舞う際の整理整頓の習慣も自然と身に付きます。自分のものをきちんと片付けることは、大人になってからも生きる重要なスキルです。
この様に、下方2段がお子様の行でその一段上の窓下の文庫本サイズの段より上方は全て大人用の本棚になります。この一見混在した様な並び方も、厳密なグリッドラインに支配され、窓の形に合わせて本棚を構成したのか、そもそもその本棚の構成から自ずと窓の位置が決められたのかとも思える、極めて合理的な理にかなった構成に仕上がっています。
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