都内のマンションにお住いのお客様、リビングダイニングルームの一面に「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」をレコード棚としてLPレコードをほぼ隙間なく埋め尽くす形でお使いいただいています。JAZZのLP盤をここまで大量に所有され、しかもそれを飾る様にリビングに置かれている姿はややもするとディープで重い感じが漂います、が、しかしここでは全くそれが感じられない、極めて都会的な軽快な空気が流れます。オーディオセットを部屋の窓際の隅に追いやり、それがこのレコード棚と大型TVの間に置かれ、所謂オーディオマニア的な雰囲気を消し去っている点、そしてもう一つはこの本棚の高さを5段に抑えて最上段を天板で押さえる形、天井まで伸ばさずに置き家具的に見せている点、そしてその上にディスプレイされているジャケットも2枚だけ、といったフットワークの軽さがその理由に挙げられます。
アナログレコードを聴く
CDの売れ行きが減少しています。理由はインターネットを通じて音楽をダウンロードしたり、ストリーミングサービスを利用する人々が増えた結果、個々の曲を選択して聴くことが容易になり、アルバム全体を購入しない傾向が高まっているからと言われています。また、音楽をBGMとして利用されることが増え、アルバム全体を熟聴するよりも、特定の曲やプレイリストを選んで再生することが一般的になってきたから、とも言えます。そのためアルバムそのものの存在感は極端に低下した様に感じられます。
しかし一方ではアナログレコードは再評価されいます。アナログレコードはコレクタブルアイテムとしても価値が高まり、アートワークとしてそのレコードジャケットには特別なエディションが魅力的とされています。CDの売れ行きが低迷している一方で、アナログレコードが再評価されている現象も現れています。音楽リスニングの方法は多様化しており、個々の好みや体験に合わせて様々な方法が選択され、こうしてLPレコードに囲まれるのもその選択肢の一つです。
レコードジャケット
ジャケットデザインは、アーティストが音楽を通じて伝えたいメッセージやイメージをビジュアルで表現する手段です。アートワークは音楽と連動し、アルバムのテーマやコンセプトを視覚的に伝えます。また、レコードジャケットは大きなサイズを持ち、アートワークの詳細を鮮明に表示できます。このサイズは、CDやデジタル音楽のようなもはやサムネイルと化したそれとは異なり、アートワークを十分に楽しむことができる大きさです。要するに、レコードジャケットは音楽体験の一部であり、アートの一形態でもあります。
この様な能書きがあっても、それを強く主張しないのが本件の特徴です。膨大な量のLPレコードが存在しながらその主張はいたって淡白、これだけの数のLPレコードがありながら飾られているジャケットは少なく、またキッチンカウンターからリビングダイニングを見るとまずは両側に椅子が並んだダイニングテーブルが目に入りその軸線上に大型TVがある、といった都市型の普通の家族の生活がそこにあります。この見え方が極めて自然であるためその脇に控える大量のレコード棚からもそのマニアックな気配が消し去られているのかもしれません。
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