前回に続き、松本亮介さんのプライベートオフィスのご紹介です。松本さんはご自宅の近くにプライベートオフィスをお持ちです。そこのオフィスにも「Shelf スタンディングデスク付き本棚」「Tavola ダイニングテーブル スチール脚」「Tavola コンソールデスク スチール脚」「Shelf ロータイプ本棚」を設置いただいています。
在宅で仕事をされることが多い松本さんは、自宅と仕事場を分けることでONとOFFの境界を明確にされています。オンラインミーティングをする際にも周囲を気にしなくてよく、足音やテレビの音などの生活音もここでは無いので静かな環境で集中して仕事に取り組まれておいでです。実はその内容からは全く想像もつかないフィギュアやプラモデルに囲まれた世界がここでは展開します。
ワークスペース
いわゆるリビングルームをここでは広いワークスペースとして使っておられます。そこに置かれているこの「Shelf スタンディングデスク付き本棚」の本棚部分にはセル一行分だけフィギュアが並べられています。他のセルはその殆どが購入時のパッケージが整頓されて本棚のセルを塊の様に埋めています。パッケージ自体は木口面短手の寸法が揃っているためそれぞれのサイズは異なりますが段数を調整しながら整然とこの本棚に収まっています。フィギュアとそのパッケージの隙間に書籍が置かれているイメージです。
一方デスク面にはリモート用のPC、マイク、タブレットが置かれリモートワークをスタンディングデスクで行う手慣れた様子も伺えます。カメラの位置からは一列に並んだフィギュアが遠近法で遠ざかりながらリモートワークの背景を飾ります。
ワークスペースは中央にあるダイニングテーブルとこのスタンディングデスクの2種類の高さの異なる机の組合せによって構成されています。そのためデスクワークは座ったままの姿勢、ミーティングは立った姿勢で行える、その切り替えは自由です。特に立った姿勢で仕事が出来るスタンディングワークは運動不足解消の効果もあり、その意味ではこのプライベートオフィスが持つ、その広い空間を実に有効に使われています。
ダイニングテーブルをワークデスクとして使う
部屋の中央には「Tavola ダイニングテーブル スチール脚(L型)」が置かれそこをメインのワークデスクとしてお使いいただいています。長さ2400mmのこのテーブルは二人が反対側に座ってそれぞれが新聞を拡げても干渉しないサイズです。必要な資料をデスクトップの上に広げて俯瞰をするように作業が出来る広いテーブルです。
ロータイプ本棚を背にデスクチェアが置かれ一人でそのワークスペースを独占する形です。その反対側にはベンチ形式のスツールが置かれていて2、3人が座れます。更にその背後には「Tavola コンソールデスク スチール脚」が控えます。こちらは幅1800mmで製作、ダイニングテーブルより一回り短いサイズですが天板の仕様、脚の仕様を揃えていただいているので二つが平行に並ぶとまるで親子の様な見え方になるのも不思議です。このコンソールデスクには大型モニターが置かれ、ダイニングテーブルの端にある大型モニターと直角に置かれています。足元には今のところ本棚の中に収められたパッケージ類がここでもほぼそのスペースを充填する様に堆く積み上げられています。
フィギュアショーケース
窓側にある「Shelf ロータイプ本棚」はフィギュア専用のショーケースです。そのフィギュアは一つのセルに対して一体ずつ置かれているため、日中は縦型ブラインドを通した陽光を背後からバックライトとして受け、逆光の中フィギュアはその輪郭を見せます。その陽光は時間の経過とともに角度も強さも変わるためキャラクターの見え方は微妙に変化し、違った見え方を楽しむことができます。
フィギュアは三次元で作られていますがその成り立ちは二次元の平面から立体的なイメージを膨らませながら作られたものです。その意味では二次元の時の最初のイメージが作者の意図に最も近いと言えます。しかし3Dで立ち上がったフィギュアを見た際に作者が想像もしていなかった姿がそこに顕れることもそれはまた違った感動を呼びます。そういった意味で全方向から見渡せるガラスショーケース的なフィギュアの展示棚よりこの様にセル内に置いていろんな想像を働かせる方が楽しくもあります。セル内のフィギュアは比較対象物が無い為、実はそのスケール感は無限に広がります。そこもまた魅力です。またガラスショーケース内に置かれ特にその背面に鏡が貼られていると、まずはそのフィギュアの背面が映り、更にそこを覗きこむと鏡に映った巨大な自分の姿がそこにある、フィギュアのスケールを矮小にする情けない見え方になります。「Shelfロータイプ本棚」はそういう意味でもフィギュアの展示に大変適した収納棚であることがここで改めて分かりました。
ホームジム
このプライベートオフィスのにはその一室を使ったホームジムもあります。ここではトレーニングマシン以外はフィギュアが飾られた「Shelfロータイプ本棚」が置かれた簡素な造りになっています。この様にどの部屋にもフィギュアは置かれています。ロータイプ本棚は縦3段×横7列が直角に置かれここではキャスターは付けずに据え置き型をとります。小窓を背負った方の棚にはセル内に収まるサイズのものはセル内に、大きなものはその棚のトップに置かれています。特にその大きなフィギュアは羽を広げる形でワークスペースのそれ同様バックライトを受けそのシルエットが逆光に浮かびます。右側に移動するに従いそのポーズも徐々に変わっていく様子もその並べ方に気を遣われている様が伺えます。二段目のセルは上半分がバックライトを背負う形です。ここでもそれに適したフィギュアが選択されています。
ホームジムにフィギュアを展示する目的はトレーニングのモチベーションをいかに維持するか、そこに重点を置かれている、とのお話。松本さんにとって自身の気持ちの分身でもあるそのフィギュアの並びがジムでの原動力になっています。
工作室・撮影室
こちらは模型の工作室兼撮影スタジオです。ここにはマルゲリータの製品は使われていなくもっと言えばフィギュアも展示されていません。しかしそのフィギュアとの濃密な係わり方が更に紐も解ければと思い取材をさせていただきました。
工作室にはパーツを加工したり塗装をしたりする作業テーブルがあります。ここではシロッコファンを有する専門的な塗装ブースもありそこにある塗料の数、絵筆の数からいかにここで多くの時間を費やされているかが分かります。ここで出来上がった作品としてのフィギュアは反対側にあるスペースで撮影、静止画や動画を駆使した作品を作り上げています。松本さんは自作の模型の大会に応募され、その塗装レベルは非常に高く時には雑誌にも掲載される技量をお持ちです。
単純にフィギュアが好きでは終わらず、その精製過程を極める、そこで生まれた3Dイメージを画像に転嫁する、更に成果物を独自の方法で展開する、プライベートオフィスの構成が現在表向きに関わっているお仕事、その経歴とは一見全く結びつかない様でありながら、実は自身の気持ちの流れをこの圧巻とも言えるフィギュアの流れと常に呼応している姿が垣間見られました。
フィギュアに囲まれて
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