埼玉県の戸建て住宅にお住いのお客様です。その2階の寝室に「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を設置いただきました。
この部屋は北側斜線(※)の影響を受けて天井の一部が斜めに切り取られています。本棚はその勾配に合わせて全ての縦板の高さを調整してあります。一方で平らな部分には本棚の縦材がそのまま天井まで目一杯伸びてその壁面を十分有効に活用しておられます。
(※)北側斜線制度とは第1種、第2種住居専用地域内で北側隣地にある建物の日当たりに配慮した規制です。規制の内容は敷地の境界線から垂直に5mまたは10m上がった先の高さで一定の勾配を付けて、隣地の建物に太陽が当たるように配慮するものです。
勾配天井に対応するため、天井の傾斜と本棚の縦材の長さを調整し、その角度を一致させる作業は一見簡単に思えますが、実際には非常に難しいです。縦板が配置される位置を正確に予測し、その地点から天井までの高さを測定するか、天井の水平面と斜面が交わるラインの位置を壁から測る必要がありますが、これらの測定は空中で行うため、専用の機械がないと正確に行うことが難しいです。この作業ではその点に配慮して正確に作業が進められており、縦材がほぼ天井の廻り縁の下端で止まる形でぴったりと収まっています。
この本棚は、寝室からアクセスするウォークインクローゼットとの境界壁に沿うように配置されています。設置場所には勾配天井を含む不規則な壁面が存在しますが、本棚がその天井面に沿うことで、これらのイレギュラーな部分を巧妙に隠している様に感じられます。結果として、部屋全体の見た目は整った印象を与え、ウォークインクローゼットと寝室の間に自然な仕切りができ、空間の使い勝手も向上しています。
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