都内のオフィスビルの9、10階のメゾネットタイプの区画を利用して建築設計事務所を営んでいるお客様、その内部階段を上がった10階部分に「Shelf カウンター付き本棚」とそれに直行する形での作業机を導入いただきました。
メゾネット型オフィスデザイン
この事例は建築設計事務所であるお客様が新しいオフィスに移転するに際してその新しいオフィスレイアウトデザインを自ら行い私たちマルゲリータはそのニーズに応える形で商品をカスタマイズして提供させていただきました。そのご紹介です。
設計事務所スペース
このオフィスデザインは、設計事務所が自ら使うオフィスをデザインしたものです。フロアはビルの最上階に位置するメゾネット型で、2フロア構成となっています。
画像はその上階です。上階は執務室、すなわち設計作業スペースであり、下階がエントランスおよび来客用の打ち合わせ場所になっています。この時点で全体の構成の基本が出来上がっています。そのため、作業スペース自体は設計作業に集中できるよう、整然としたレイアウトを取ることが可能です。
カウンター付き本棚のカウンター部分は、オーダー仕様でゴム集成材に置き換えており、タフな使用に耐える素材です。また、そのカウンター部は部屋の形に合わせてL字型になり、窓際に連続して机として延伸します。この連続する机とカウンターによるL字型の構成と、少し外れた部屋の中央にある大きな天板は、作業室の打ち合わせスペースや模型の製作、プレゼンボードの作成などに使用されます。
このように基本的なフロアの構成と作業スペースのレイアウトが整っているため、その後に付加される様々なエレメントも破綻することなく美しく収まっています。カウンター付き本棚の机上面より3段上の白いファイルボックスは全て無印良品の商品で、ちょうど一コマに3つ収まる寸法です。また、このファイルボックスは壁と天井の色と重なるため、本棚が室内に馴染む形になります。
関連書籍の収納
建築関連の法令集や資料集成は、ビジュアルな作品集と比べて実務的な表情があり、一昔前の設計事務所の雰囲気を醸し出すことがあります。しかし、それらがセルやファイルボックスで区切られて整理されていることで、その雑然さが消え去り、整然とした姿になります。
ラバーウッド(ゴム集成材)の天板
カウンター付き本棚のカウンター部天板はラバーウッドの集成材に変更しました。薄くウレタン塗装が施されています。本棚部分のシナ合板との取り合いも自然で、手触りも滑らかで心地よい感触です。
ラバーウッドはゴムの木で、その樹液は天然ゴムの原料として利用されます。樹液採取を続けると木そのものの勢いが衰えるため、かつては樹液採取後に大量に廃棄されていました。しかし現在では、集成材として加工され、有効活用されています。家具市場では比較的新しい素材です。また、ラバーウッドは南米や東南アジアなどの暑い地域に生息し、成長が早いため森林資源の保護に役立ちます。有効利用されている点からも、環境にやさしい木材とされています。
垂直、水平と強いラインで仕切られた空間に於いてアーロンチェアの様な人間工学的な作業用の椅子はその有機的なフォルムが一層引き立ち人が作業をしている姿が鮮明に映ります。
本棚の開口部
2コマ×2コマで開けられた開口部には今のところPCモニターが2台入っています。カウンター付き本棚の使い方としてはこの様にPCモニターを置くスペースを確保するとその使い勝手が一段と上がります。
窓に面した作業台としてのテーブルもラバーウッドを使って製作されました。白く塗装されたスチール脚をなるべく見せない様な工夫がしてあります。
L字型に連続する
柱を介してカウンター付き本棚のカウンター部と窓際の作業台が隣り合う様子です。共通のゴム集成材で作られています。本棚のシナ合板、ラバーウッドのカウンター及び作業台、白い壁、白いスチール脚、限定された色数がコーナーで向かい合います。
このように、オフィスレイアウトのトータルデザインは移転や引越しを機に実行されることで、様々なニーズを反映させ、新たに派生した結果も伴い、良い方向に収束していきます。設計事務所ならではの機能的でコンパクトな構成です。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
SERIES13
小規模オフィス
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