以前にご紹介した、DJ、プロデューサー、ミュージシャンとして幅広く活動されている井上薫さん。(前回の記事はこちら)「Shelf壁一面の本棚 奥行350mm」、及び「Shelf壁一面の本棚 奥行180mm」を導入いただきそれぞれをアナログレコード棚とCD棚としてお使いいただいています。その井上様と相談してそれぞれの上方にこの度コマを増築する運びとなりました。
アナログレコード棚は横5コマのものを2台連結してご使用いただいていたのでその上に更にもう1段を増築、縦8段となりました。更に最上段には天板も加えアナログレコード棚としての完成系に近づきました。一方CD棚の方は横3コマのものと横5コマのものを2台連結してご使用いただいていたのでその上に更にもう1段を増築、上方に少し余白が出来ましたが縦12段となりました。上下の本棚はそれぞれが壁面に固定されていて水平方向、前後方向の動きに対して特に上段の本棚はその動きを極力下段には伝えない様にしています。
H型金物による連結
上下の本棚の連結は専用のH型金物を用いて縦材が「ずれる」ことを避けるためH型金物のフランジ面には強力な両面テープによる摩擦力で前後にずれないようにしています。それにより最上段の横板を固定することでモーメント的にも有効に働きより安定します。
▲レコード棚(増設前)
▲レコード棚(増設後)
▲CD棚(増設前)
▲CD棚(増設後)
▲棚全体(増設前)
▲棚全体(増設後)
▲接続部 2台連結の箇所は大きな二コマ分のH型ジョイナーを使います。
一般縦材部分のH型ジョイナー
最近のDJ
さて、偏にDJと言っても現在では下記の3種類のDJが存在します。井上様を含めマルゲリータの商品を使っていただいてるお客様はいわゆるアナログDJです。しかし一般的には次に記載するCDJ、PCDJと呼ばれるデジタル音源を使ったDJの方が特に若い層では徐々に増えつつある様です。
DJ
アナログターンテーブルを使用するDJは何よりも直感的な操作が可能、針を置いてターンテーブルが回れば音が出るという仕組みが直感的に分かることから入れます。
しかしレコードはその一枚が大きく嵩張るのが問題、更にLPレコードに対するケアも日常的に必要です。それとそもそも当然ですがレコード化されている音源しかここでは使うことが出来ません。
CDJ
市販のCDだけではなく曲をCD-Rに書き込んだり、USBメモリに保存して使ったりできるので幅広い層の方がこの方法をとっている様です。オーディオフォーマットで書枯れたCD-Rは全てのCDJで再生可能。またMP3として書かれたデータCDも再生できるものが増えています。しかしアナログターンテーブルと違って、機種によって操作性は大きく異なります。
PCDJ
クラブなど現場の主流はパソコンを使ったPCDJです。PCDJは楽曲がデータなので、パソコン1台で無限の持ち運びが可能です。楽曲数に限りが無いので、その場に応じたDJプレイをしやすいです。また、PCDJコントローラーは機能が豊富で多くのことができます。持ち運びのしやすいサイズから趣味で始められる方も多いです。しかしパソコンが動作環境の対応確認が必要です。動作
環境が対応していないと全く動作しないケースがあることも注意が必要です。
アナログレコードの魅力
情報機器の進化に伴ってDJの在り方も進化する中で、どこか納得できない空気が流れることがあります。もともとアナログレコードから入った方は、そのアナログの良さを十分理解した上でこの進化を受け入れられますが、若い世代でアナログの存在そのものを知らなかった層にとっては、新鮮に映り、逆にそのアナログの魅力にどんどん惹かれていきます。井上様の言葉を借りれば、まさに「先祖帰り」とも言うべき現象が静かに起こっています。
アナログ音源の魅力は何と言ってもその音の深みにあります。レコードならではの自然な音質は、デジタルでは再現できない独特の味わいがあります。片面20分程度の時間が経過したら裏返さなければならない、音質向上のためにデバイスや機材にこだわる必要がある、さらにはDJを職業にしている方は大量のレコードを持ち運ばなければならないなど、手間がかかることが多いです。しかし、その「面倒な行為」こそが楽しみの一部であり、アナログDJの世界には深い魅力が溢れています。
●井上薫さん主宰のレーベル「SEEDS AND GROUND」
→ SEEDS AND GROUND Webサイトへ
●楽曲配信「SOUNDCLOUD」
→ Kaoru Inoue-Chari Chariさんのページはこちら
井上さんの仕事場
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