ライブラリーホテル
ビジネスホテルに宿泊する場合、その多くは仕事での出張が目的です。出張中は、相手先との懇親会や接待、または同行者と飲みに出かけることが多く、ホテルで過ごす時間は限られています。しかし、宿泊が一人で相手先との懇親会もない場合、その数時間を持て余すことがあります。もちろん、ホテルに戻って仕事をしたり、PCを使ってデータのやり取りをしながらテレワークをすることも可能です。しかし、近年のコロナ禍の影響もあり、「一人、数時間、OFF」という状況で何をするか悩むことが現実です。
そこで最近、静かなブームとなっているのが、図書室を併設したホテル、いわゆるライブラリーホテルです。しかし、一泊程度の滞在では一冊の本を読み切るのは時間的に難しい場合もあります。そこで注目されているのが美術書や画集です。これらの書籍は、短時間でも視覚的に楽しめるため、一人の時間を有意義に過ごす手段として人気を集めています。
美術書、画集、写真集は本の形態をとっていますが、順に読むものではありません。ビジュアルを通して作り手の世界に浸り、その時代背景や環境に近づくことが醍醐味です。断片的に楽しむことも、一冊通してその世界に浸ることも可能です。また、そこで初めて出会うアーティストがいれば、その後にそのホテルと共に幾度となくフラッシュバックしてくる印象深い体験となります。優れたアーティストであればあるほど、多くの画集で取り上げられるため、どこで出会うかは重要ではなく、その後に再びそのアーティストと出会う可能性が高くなります。
ライブラリーラウンジ
正面玄関から入って大きなエントランスホールの右手には、落ち着いた本棚に囲まれたラウンジがあります。どなたでもご利用いただける館内ライブラリーラウンジです。ライブラリーラウンジの窓際には、「Piega BS-10 本を開いて見せるブックスタンド」を設置し、本が開かれた状態で浮いているように見せています。
このブックスタンドは、左右対称の2枚のスチール板を2箇所で留めた構造です。曲げ加工される前の板はほぼ正方形に近く、展示する本を受け止める座面、それを持ち上げる垂直面、全体を支える底面の3つの面を無駄のない形で折り紙のように構成しています。
この本棚の中でも「Piega BS-10 本を開いて見せるブックスタンド」をお使いいただいています。背表紙を見せた書籍の中で一点まるで本が開かれた状態で浮いているように見せています。
下部にアルミアングルが取り付けられているため、本が滑って落ちない仕様です。
中央大階段
1階から宴会フロアへと上がる階段を囲うように設置された高さ約7mの大書棚。階段を上がりながら書籍を手に取る(一部)こともできます。
銀座蔦屋書店の監修
芝パークホテルのライブラリーは銀座蔦屋書店の監修を受けており、特に美術書や画集の選定に卓越しています。これらの書籍は一箇所にまとめるのではなく、ホテル内に点在しています。さらに、宿泊室の各フロアの一室を順次改装して小さなミニ図書館も設置されています。ここにはテーマごとの美術書が置かれ、一つの書物から他の関連書籍へ自然に誘導されるように配置されています。これにより、短時間でも極上の時間を過ごすことができる空間が提供されています。
上段は「Piega BS-14 本を高い位置で飾ることのできるブックスタンド」です。高い位置で飾ること表紙を宙に浮かせるように見せます。
ホワイエ -Book & Culture-
街、歴史や時代背景を学ぶことができ、芝パークホテルが誕生し、ともに歩んだ現在までの時間。これから歩むべき方向を、過去、現在を踏まえ、新たに考えていくヒントとなる書籍をセレクション。2階のホワイエエリアにも多彩な書籍が設置されており、ゆっくりと時間を過ごせる空間となります。
本を魅せる
本の見せ方には、平積み、背だし、面だしの三通りがあります。平積みは書店でベストセラーを販売する際に同一の書籍を平たく積み上げて売れている感を出しながら陳列販売する方法であり、ここでは関係ありません。背だしは本を本棚に並べ、文字通り背表紙を見せる手法です。これは非常に一般的で多くの本を陳列できますが、そのまま埋もれてしまいがちで、展示というよりは収納に近い方法です。
一方で、面出し(面陳とも言われます)は、本の装丁をそのまま見せる手法です。本の装丁デザインは、特に美術書においてはそのコンテンツをコンパクトにプレゼンテーションする重要な部分です。このデザインを見せるのが面出しであり、その本の命を一枚の表紙で表現する方法です。
この本棚の中でも「Piega BS-10 本を開いて見せるブックスタンド」をお使いいただいています。背表紙を見せた書籍の中にあって、本が開かれた状態で浮いているように見せています。
書籍の底面を垂直に受けそのまま二等辺三角形を構成するように曲げられたスチール板によるブックスタンド「Piega BS-13 本を宙に浮かせるように飾れるブックスタンド」です。本の表紙に被ることなく面を見せることが出来るブックスタンドです。
客室用書斎スペース
各客室フロアには、落ち着いて本と触れ合える小さなアルコーブや客室用書斎スペースが用意されています。各フロアに順次設置が進められています。マルゲリータのPiegaシリーズには、面出しをアシストする製品がいくつかあります。また、本を開いた状態で見せる、すなわち画集の中身を直接見せて全貌への切り口とするブックスタンドも用意されており、これも積極的に採用いただいています。これにより、ビジネスホテルにおける美術書の展示の補助としてご活用いただいています。
ここでも書籍の底面を垂直に受けそのまま二等辺三角形を構成するように曲げられたスチール板によるブックスタンド「Piega BS-13 本を宙に浮かせるように飾れるブックスタンド」をお使いいただいています。本の表紙に被ることなく面を見せることが出来るブックスタンドです。
「Piega BS-10 本を開いて見せるブックスタンド」を使ってまるで本が開かれた状態で浮いているように見せています。
「Piega BS-14 本を高い位置で飾ることのできるブックスタンド」です。高い位置で飾ること表紙を宙に浮かせるように見せます。
この事例と関連するプロダクト
スチールプレートを曲げることで作られる展示ツール。ブックスタンドが中心。
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