都内のマンションにお住いのお客様です。リビングの梁の形に加工した「Shelf 壁一面の本棚 奥行250」を設置いただきました。
フィラー板を挿入する
賃貸住宅にお住まいのお客様は、本棚を固定する際に壁に傷をつけたくないと考える方が多くいらっしゃいます。これは賃貸住宅に限らず、多くの方に共通する考えです。このようなニーズに対応するため、本棚の縦材の上部と天井との隙間に「フィラー板」を差し込み、天井いっぱいまで持っていく手法を用意しました。この方法は、本棚が倒れようとする際に天井に引っかかり、倒れにくくするスタイルです。フィラー板を本棚の最上部に後から挿入することで、完全な壁一面の本棚が実現します。
ここまでの画像は最終的にフィラー板を挿入した完成後のものです。以下、そのフィラー板の取り付け方法のご紹介です。
本棚と天井の隙間をそのままフィラー板で埋めると高さが小さすぎるため、本棚本体の高さをカットしてフィラー板の高さが5cmになるように調整しています。
各縦板の横に挿入予定のフィラー板を並べて順に作業を進めます。本棚を設置し内容物を入れた状態で天井との隙間を測定し、それに合わせてフィラー板を製作します。一般的に建物自体の施工誤差があるため、各縦材の位置で天井までの寸法が若干異なる場合があります。そのため、それぞれの箇所のサイズをお知らせいただき、それをもとにフィラー板を製作します。
順にフィラー板を差し込んで行きます。
本棚向かって左から順に作業を進めます。
全て完了した状態です。
この様にフィラー板と既存の縦材とはほぼ一体化します。また天井と接する箇所のフェルトはある程度押される形が好ましいです。
天井まで届き、その下で梁型を避けた加工が施されています。梁型が現れた室内では、その前面を覆うグリッドによって、完全な壁一面の壁面収納としての姿が完成します。
賃貸住宅の場合の転倒防止に
フィラー板を差し込むことで、本棚を天井まで延長し、転倒防止に対する効果を高めることができます。特に賃貸住宅にお住まいの場合、または分譲住宅であっても壁に傷を付けたくない場合に、この方法は非常に有効です。フィラー板の上端にはフェルトが貼られており、差し込む際に天井を傷つけず、同時に天井板に柔らかく突っ張ることができます。
フィラー板の下端と本棚本体の縦板の上部には、予め専用の金具が埋め込まれており、水平方向に押し込むことで簡単に取り付けることができます。多少の力は必要ですが、奥に押し込むことでカチッと嵌め込むことができます。引越しなどで本棚を移設する際には、この手順を逆にしてフィラー板を取り外すことが可能です。
フィラー板の挿入には、ある程度の力が必要です。しかし、顔の高さで水平方向に押すため、力が入りにくく、奥まで差し込むことが難しい場合もあります。その場合は、厚手の不要な雑誌や布などの緩衝材をフィラー板の正面に当て、ゴムハンマー(ゴムハンマーがない場合は通常のハンマー)でフィラー板を傷つけないように軽く叩きながら押し込んでください。フィラー板を取り外す際は、奥まで手を差し込んで強く手前に引くように水平に引っ張ってください。
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壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
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