書籍、ムック、図書館本、パンフレット等の制作を行う編集プロダクション、(株)スリーシーズン様の新しいオフィスへの移転に伴いそこの内装工事と合わせて「Shelf 壁一面の本棚 奥行350」を設置いただきました。門型に加工された一見間仕切りには見えないオフィスデザインです。
門型の本棚
新たにオフィスを移転された編集プロダクションのご紹介です。オフィスの入り口にはその会社がこれまでに手がけた書籍が面出しで並びコーナーを曲がると左側の壁面全体を覆い尽くす本棚が現れます。本棚は門型に構え3コマ分の開口部がありそこを通ると来客用の打合せコーナーに続きます。
打ち合わせコーナーでは、来客者との商談や打ち合わせのためのスペースを確保し、執務スペースと物理的に区切る必要があります。本件では、物理的な仕切りとして本棚を活用し、その過程で門型に配置された本棚の間を通り抜ける構成を採用しています。この本棚には自社で出版した書籍が並べられており、来客者は自社の作品で構成されたディスプレイを通過することで、異なる次元の空間に入るような効果が生まれています。
背板のある壁面収納
この壁面収納には背板が設置されています。オフィスの移転工事に伴って行われた内装工事で施されたもので、背板があることにより、ブレース板がない仕様となっています。背板によって水平方向の剛性が保たれ、転倒防止の処理が施されています。このようにして、壁面収納が間仕切りとして活用されています。
画像からも、壁面収納の背後に僅かに顔を出している木製の柱が確認できるかと思います。この柱は、床と躯体で固定されており、その柱に本棚が背板を通して固定されています。これにより、水平方向にも前後方向にも安定した間仕切りとして機能する壁面収納が成立しています。
3つのパーツから成る
本棚には門の様な大きな出入り口(大きな開口部)があります。この開口部は二つの大きな本棚を上空に設けた1段、3コマの本棚で繋ぎあたかも開口部を設けた形になっていますが実際には左右二つと上部の三つの本棚の組み合わせになっています。
入り口を入ったところには、編集プロダクションが編集した書籍が並んでいます。コーナーを曲がると、左手には壁面を覆い尽くす本棚があり、その向こうには建物の開口部が広がっていて、開放感のあるビジュアルが得られます。このデザインは、執務室とその前室を穏やかに区切ると同時に、仕切られているという感覚を与えません。オフィスデザインにおいて卓越した手法が感じられる構成となっています。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
SERIES29
間仕切りで使う(オフィス編)
このシリーズではオフィスに置いて本棚を間仕切りとして使用する場合の考え方、レイアウト等を実例をもとに紹介しています
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