地方の国立大学大学院に新設された統合生命科学研究科研究室に「Shelf 壁一面の本棚 奥行350」および「Shelf カウンター付き本棚」を導入いただきました。
既存の生物学・生命科学系の専攻を有機的に再編・統合し、多様な社会的要求に応えるためにの柔軟な教育研究組織として広い研究室が用意されています。そこの研究施設を挟む形で両側の壁一面に置かれています。
窓に向かって2つのワークデスクが向かい合うように配置され、その手前にはゼミ用のミーティングテーブルが置かれています。2つのワークデスクの背後には、壁一面をフルに活用した本棚が控えます。広い研究室なので、デスクが向かい合うスペースも広く、将来的に人員が増えることがあっても十分な収納余力があります。
窓に向かって右側のゾーンには、教授用のワークデスクとその背後に壁一面の本棚が配置されています。ワークデスクと本棚の位置関係には十分な広さが確保されており、ゆったりとした配置がされています。
長押に固定する
大学の研究室において、大型の家具、特に本棚を設置する場合、その研究室の主宰者の意向に大きく左右されます。さらに、研究室の主宰者は一定期間で交代するため、多くの研究室では壁面に長押を設置しています。この長押は壁の下地に強固に固定されており、そこに本棚などの大型家具を固定することで、地震による転倒を防止しています。
長押は本来、日本の伝統的な書院造りで、高さ1.8メートルの位置に設けられる造作材です。しかし、昭和時代以降、特に戦後にはハンガーを掛けたり、洗濯物の室内干しに利用されたりと、実用的な用途に代用されることが多く見られました。また、書院造りとは無関係でも、賃貸住宅などでは居住者が大型家具を固定したり、コートハンガーのフックを取り付けたりと、壁を傷つけずに物を固定するためのツールとして広く利用されています。
大学の研究室でも同様に、長押を壁面に配置し、壁一面の本棚を固定するのに役立っています。本棚側では、長押の位置を正確に実測した資料をもとに、その部分をすべて切り取り、縦板をそこに嵌め込むことで壁面に密着させています。この工夫により、本棚はしっかりと固定され、地震などの揺れにも耐えられる構造となっています。
画像からは少し見えにくいですが、上部のブレースが入っているセルの背面側に、L字型金物が本棚の縦材と長押を縫うように固定されている様子が確認できます。
ここからは向かい側にあるもう一方の壁面の様子です。こちらは「Shelf 壁一面の本棚 奥行350」の縦方向の割り付けを変えたオーダー品と「Shelf カウンター付き本棚」を並べてお使いいただいています。カウンター付き本棚は2×3コマの開口部を設け、そこに大型のPCモニター、及び縦型のディスプレイを置かれてワークスペースとしてお使いいただいています。
2つのワークスペース
カウンター付き本棚に開口部を設けた籠り型のワークスペースと、一般的なデスク面を使うオープン型のワークスペースの比較が分かりやすい画像です。大学の研究室のように、学生と接しながらも自身の研究を進める立場では、自分の好みのスタイルというよりも、その環境に適応したワークスペースの形が自然と定まっていくように見えます。この画像は、そうした環境から生まれるワークスペースの在り方を示しており、それぞれの特徴が明確に表れています。
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