都内の閑静な住宅街にある清楚なマンションにお住いのお客様です。
その一室に、「Shelf カウンター付き本棚」5列タイプをカスタマイズして設置しました。リビングと可動間仕切りで区画されるこの部屋に設置された本棚は、カウンター下の中間仕切り脚板を取りやめ、正面向かって左側の脚板をスチール脚に変更したタイプです。この設置により、明るく広いリビングと繋がったり、距離を置いたりすることで、自分の空間を容易に作り出すことができます。
本件では、デスク面を境界にして、上部と下部で機能が大きく異なります。上部は大容量の書棚としての機能に加え、小物類の配置およびディスプレイスペースとして使用されています。上部3段には、仕事で使われる参考書が整然と並ぶセルと、小物が置かれたセルがあります。書籍の並ぶ本棚の中央には、ウイスキーボトルが並ぶセルがあり、オフの時間の豊かさを静かに主張しています。
本棚全体の横幅が広いため、大型の物をデスクトップに置いても十分なワークスペースが確保できます。本件では、右端の壁沿いに大型モニターが設置され、右端のカウンター下には大型機材が配置されています。折りたたみ式の小さな台が、大型機材の姿を隠しつつ本棚のグリッドラインと調和するように溶け込んでいるため、機材のボリューム感をほとんど感じさせない配置になっています。
デスク面の左側には、「本棚の中の棚」が設置されています。「本棚の中の棚」は、セルの内部に小さな段差を作り、空間を有効に利用するためのツールです。書籍を前後2列に並べても奥の書籍の背表紙が隠れないため、収納力が大幅に向上します。
机下のセル
最下段のセルでは、収納物を直接床に置き、バスケットやファイルボックスを使って仕分けし、フローリングの上を滑らせて出し入れしています。左端のバスケットには、バッグや持ち運び用のポートフォリオがまとめてあります。外出時にはこのバスケットを取り出して荷物を整え、帰宅後は再びこの中に収めて本棚に片付けます。ポータブルデバイスの充電機能も、本棚の左側に集約されています。このような配置により、一連の動きが合理的な動線となり、本棚の機能を最大限に活用したライフハックが実現されています。
本棚の色彩と室内インテリア
この室内は、天井と壁が白、床材は淡い色合いの木目のフローリングで統一されています。本棚は明るい色のシナ合板で作られており、床の色と調和しています。デスクの脚は白色で、室内のインテリアに自然に溶け込んでいます。デスクトップは広く整然としたワークスペースを提供しています。
天井までの壁面を占める本棚は、棚板の見付が全体のハイライトとなり、明るいグリッド線を形成しています。棚板の奥行きによる影が優しいニュアンスを生み出し、壁面にリズム感を与えています。また、この本棚には背板がないため、部屋の壁面が透けて見え、奥行きと広がりが感じられます。棚板によって整然と区切られたセルは、収納機能だけでなく、見た目にも心地よい壁面を形作っています。
デスクの前に置かれたアーユル・チェアや、ラグと肘付きチェアのクッション部分に使用されているモスグリーンの色彩は、北欧風のアクセントカラーとして機能しています。これにより、清潔な白い空間に木製の家具が醸し出す「植物の気配」が増幅され、居住空間としての心地よさが高められています。
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壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
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