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書斎兼用で使われているリビングダイニングに、もとからお持ちのオーディオ系のチェストの天板に合わせ「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」および特注のワークデスクを設置、オリジナルのワークスペースを構成されています。
リビングダイニングの、窓と直行する壁面に、オーディオ用の大型のチェストを置かれ、そのチェストと壁との間のスペースに合わせて「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を設置していただきました。この壁面では、下がり天井に天井カセット式のエアコンが設置されています。この天井と床との間のサイズに合わせて、本棚の高さも調整していただいています。細やかに調整された本棚は、造作家具のように空間にフィットしています。
この本棚は、縦6コマ×横3コマの縦型本棚です。上部4段と最下段はそれぞれ3つのセルが並んでいますが、2段目は縦板を抜き、仕切りを設けずに3コマをつなげた開口部としています。この開口部の上部を支えるために2本の桁を渡し、空隙の上部の剛性を確保しています。下段にはオーディオ用チェストと高さを合わせるためにコマの高さを調整しており、本棚の奥行きもチェストと一致させています。さらに、チェストの天板の色は本棚の材質の色とよく似ているため、チェストと本棚の下2段は、一見すると一つの家具のようにも見えます。このデザインにより、統一感のあるインテリアが実現されています。
本棚の上部4段については奥行きを下2段よりもわずかに浅くしてあります。この部分がオーディオ用チェストの天板と繋がって、「小さなカウンターが付いた本棚」のようになっています。このカウンターになった部分の高さはワークデスクの高さよりも150mmほど高く、本棚の3段目のセルはカウンター上のディスプレイスペースとして視線を受け止めるちょうど良い位置になっています。
本棚の下段では、縦の棚板を抜いて大きな空隙を作ってあります。空隙を作ったために補強材として桁が必要になりましたが、この段で高さを調整した結果、桁の下にはA4のファイルボックスが収まる空間ができています。この空隙にプリンターがおかれています。プリンターの周辺にはA4の書類を整理するためのファイルやファイルボックスが並び、プリント用紙と小型のシュレッダーも置かれ、ワークスペースの紙周りの機能が纏められています。
本棚と直行する掃き出し窓のある壁面に向かワークデスクです。このワークデスクは、ご自身が最も作業しやすい高さにこだわって制作されたものです。脚部はスチール製の丸パイプで構成され、デスクの下には既製品のキャスター付きキャビネットが配置されています。
デスク天板はシナ合板にウレタン塗装を施しており、本棚の木材と同じ色味を持っています。また、この天板の色はオーディオ用チェストの天板の色とも一致しています。このように、壁面の家具と共通のエレメントを持つことで、部屋全体に統一感が感じられ、調和の取れた室内が形成されています。
オーディオの上部に広がる壁面には、腰窓のように見えるアートワークが飾られています。このアートワークは、トロンプルイユ(騙し絵)の効果を利用して、音源の向こう側に窓からの景色が見えるような洒落た演出がされています。本棚は縦に細長い形状で、壁面には棚板の見付が描く繊細なグリッド線が特徴です。上部4段のセルもそれぞれ縦に細長い矩形で構成されており、本棚とアートワークによって壁面に縦長の矩形が印象的に繰り返されています。壁の半分からやや下寄りには、強い水平線を描くカウンターとボリューム感のある黒いチェストが配置され、低い重心が形成されています。このデザインにより、部屋全体がバランスの取れた調和のとれた空間となっています。
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壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
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