「明治大学理工学部建築学科 建築計画・設計研究室(田中友章研究室)」様に「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を設置いただきました。
研究室内の間仕切りとして
ここでは上方に積み重ねその最上段の縦材と予め天井に設置した表面下地材とをL型金物で連結し背の高い本棚を間仕切りとしてご利用いただいてる事例です。
間仕切りの手前側は既存の低い本棚を置き、そこと新たに設置した本棚の上部をゼミ側からの利用に向け、その反対側は教授の執務スペースとしてお使いいただいています。本棚を両面から効率よく使われています。ゼミ側は広いテーブルと繋がり建築関連の書籍が置かれています。背板のない本棚なので間仕切としての本棚を通しても外光が差し込む研究室らしいアカデミックな姿になっています。
低層部は予めお持ちの本棚を手前に置かれ、その背後に間仕切り壁を併用した本棚があらたに置かれました。新たに置かれた本棚の下方3段分はこちらから見ると反対側(教授の執務スペース)からご利用いただいています。
教授の執務スペース側から見る。この時点では未だ埋まってませんが本棚の下方3段はこちら側からお使いいただくことになります。その反対のゼミ側は既存の低い本棚が置かれています。
天井への固定
3m以上ある天井に対して予め設置された下地板と縦材を固定している箇所のディテールです。両側2箇所と中央2箇所をそれぞれ固定して前後左右への動きを押さえています。荷重は床面にかかっているので水平応力がかかった際のモーメントは最も有利な位置と言えます。
一般的にビル系建物の天井は軽天下地と呼ばれる軽量鉄骨を下地としてボード類(石膏ボード又はジプトーンと呼ばれる吸音板)が貼られています。このボード類は本棚を固定する場合の固定相手とはならないため、その下地たる軽量鉄骨に固定しないとなりません。
軽量鉄骨自体は縦横方向に片方が450mm、もう片方が600mmピッチで流されているのが一般的です。その下地の位置を探してそこに固定金物で直接固定するのが最も適しています。本件ではほぼこの本棚に直交する位置での軽量鉄骨が見つからなかったため、また天井高も3m以上あったこともあり、本棚と同一素材を一枚天井下に流してそこに対して固定する形をとりました。
天井に取り付けた本棚と同一素材に対し両側板及び中央の縦材2箇所をこの様にアングル材で固定しています。その結果本棚の上部はこの様に天井の板に固定され垂れ下がる形になり、本棚の殆どを占める下部はそのまま床に置かれ書籍で埋められる形になっています。書籍の重量が本棚自体を押さえるため力学的には上下二つの本棚がそれぞれ天井と床から片持ちで固定される形に近づき、その接合部をH型ジョイナーでルーズに受けています。
上下に連結する
本棚を上下で接合するH型材のディテールです。H型金物のフランジ面には強力な両面テープによる摩擦力で前後にずれることはありませんが、ここでは壁面に固定されていなく、それぞれが床と天井からの片持ちとなるのでここでは更に縦材とH型ジョイナーをビスで固定し前後方向の動きを押さえています。
▲既存の書架(水色)に対して天井までの本棚を置くことを検討。図中の写真は本棚設置前の研究室の室内。
▲天井までは届かないため二段積みにすることを検討。
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