戦後すぐに建てられた築70年の住宅を別宅としてお使いのお客様です。その膨大な蔵書の整理に「Shelf 壁一面の本棚 奥行250」と「Storage Cart キャスター付き LPレコード収納カート」を導入いただきました。
本棚は二つの部屋に分かれて置かれ、いずれもそれでも入りきらない大量の蔵書の山と馴染み、タイムスリップしたかの様な印象を与えます。今回は、前回に続いて、もう一つの部屋をご紹介します。(前回の記事はこちら)
更に奥に進むと6畳ほどの部屋の一面に本棚が置かれています。磨りガラスから入る薄日に照らされた薄暗い部屋の大量の書籍の山に本棚が馴染み、まるで何年も前からそこに存在するかの様に室内のコンテクストに呼応しています。
昭和の時代には、日常の中にノスタルジーが息づいていました。それは、本棚に並ぶ古びた本たちが語る風景として、当たり前に存在していました。しかし、時代が進むにつれて、その風景はいつか懐かしい姿へと変わりました。当時の本棚には、数々の思い出や感慨が詰まっていました。例えば手に取る度に漂う古書の香り、丸つけや折りたたんだブックマークが残る勉強の日々、翻訳書から自由な表現がある日本の古典まで、幅広い読み物が揃っていました。これらは昭和の時代のノスタルジックな魅力を象徴しており、今もなお私たちの心に刻まれています。
現代では、デジタル技術の発展により、紙の本よりも電子書籍が主流になりつつあります。さらに、社会の動きも急速で、少し前のものがあっという間に色褪せてしまう感覚があります。しかし、本棚の風景は流されることなく、どんな時代になってもその存在感を失うことはありません。その風景はノスタルジックな昭和の時代を偲ぶ象徴として、また現代における普遍的な存在として生き続けます。そして、現代の生活の中で、その雰囲気を少しでも取り入れることが、私たちにとって安らぎの瞬間でもあります。
昭和の住まいの中に
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