FILE 518

高層階で猫と共生する壁一面の本棚奥行350mm / Shelf

2021/4/10

高層階で猫と共生する | 壁一面の本棚奥行350mm / Shelf (No.119) | マルゲリータ使用例シンプルおしゃれ部屋インテリアレイアウト

都心の高層マンションにお住いのお客様です。

明るく開放的なリビングの一角に、「猫ステップ」を取り付けた「Shelf 壁一面の本棚奥行350mm」を設置されています。この本棚は、ほぼ食卓と同じ奥行に配置されており、右側にはウォーターサーバーも組み込まれています。これにより、日常生活に必要なツールを収納すると同時に、本棚が猫ステップとしての機能も兼ね備えています。猫と共に暮らすリビングの様々な機能が、コンパクトにまとまっています。

高層階から都会を見渡す爽快なスカイビューを持ち、クリーンな白い天井と壁に囲まれたリビングです。釣り戸棚の扉やテーブルの天板、フローリングなどがナチュラルな木目で統一された、明るく清潔感のある空間に、床から天井までの高さを覆う形で「Shelf 壁一面の本棚奥行350mm」縦8コマ×横5コマが設置されています。

この部屋は天井が高いため、既製サイズの本棚では上部に空間ができてしまいますが、天井まで覆う本棚を希望されたため、特注で対応しました。既製サイズで最大の縦7コマの本棚の上に、さらに縦方向に本棚を連結させて天井まで届く高さの本棚を製作しました。縦板の先端にH型のアルミ型材を装着し、その上に特別に製作した縦板を載せて、単板同士を連結しています。右端の列はウォーターサーバーを組み込むために通常よりも幅広く設計し、下部4段の横板をカットして縦長の空間を作りました。右側の縦板はキッチンとリビングを区切る袖壁に沿わせていますが、ウォーターサーバーの右側にある電源スイッチを塞がないように縦板にカットが施されています。

この本棚にはオプションツールとして「猫ステップ」が6つ取り付けられており、猫と共に暮らすための工夫が施されています。

猫ステップ

猫科の生き物は、木の上で獲物を待ち伏せしたり身を守ったりする習性がありますが、飼い猫もこの習性を持っており、高い場所にいることを好むと言われています。登ったり降りたりする動きは、猫にとって遊びやエクササイズとなり、健康管理に役立ちます。また、猫が自分のテリトリーを確保すると安心して暮らすことができるため、室内で猫を飼う場合には、猫が高い場所に登れる装置を設置することが勧められます。

マルゲリータの猫ステップは、愛猫家のお客様からのリクエストに応じて製品化されたオプションです。背の高い大型本棚を猫が楽しく安心して過ごせるスペースに改造するために考案されたT字型のツールです。本棚のセル内にTの横棒が下になるようにしてはめ込みます。1コマに取り付けるタイプと2コマを使って取り付けるタイプの2種類があり、それぞれ本棚の奥行350mmと250mmにフィットするようにデザインされています。

この事例では、1コマ用を4セット、2コマ用を2セット取り付けており、猫が本棚の正面に設置されたステップを使って縦横に移動できるルートが形成されています。これにより、猫が安全かつ楽しく移動できる環境が整っています。

本棚の下部3段には、奥行350mm専用のオプションツールが取り入れられています。これらはすべてセルの中に引き出しを形成するためのユニットで、最下段には「引き出しファイルボックス 1列」が3台、下から2段目には「A4書類収納引き出し2段」と「CD収納引き出し」、下から3段目には「引き出しファイルボックス 4列」と「A4書類収納引き出し4段」が2台セットされています。また、下から4段目の猫ステップの右側のセルには「仕切り板 2段×3列」を縦横を逆にして「3段×2列」に配置し、リモコンなどの定位置としています。これらはカセット式なので、セルの中に挿入するだけでセットでき、簡単に入れ替えることが可能です。引き出し式のオプションツールは、セルの表面に引き出しの前板が現れることで「見えない収納」を実現します。前板の中央に穿たれた指をかけるための穴が並ぶ様子が、表面のビジュアルのアクセントになっています。

本件のように低い位置のセルに「見えない収納」を配置すると、本棚の表面には腰板のような視覚効果を持つゾーンが形成されます。高層階の窓から広がる広々とした景色に対して、居住空間の重心が低い位置に下がるため、落ち着いた安心感が醸し出されます。

マルゲリータの本棚は、厚さ15mmの縦板と横板にそれぞれ切れ込みを入れて相互に嵌合させて組み立てられており、格子状に組み合わさった棚板は固定されて動かすことができません。この短いスパンで固定された棚板は荷重に強く、奥行350mmの本棚の場合、1コマあたりの耐荷重は約30kgあります。そのため、重い書籍を充填してもほとんど撓みが生じない頑丈な構造です。

本棚に書籍を収納すると、前のめりの力が働きがちですが、棚板が床と接する部分には楔を噛ませてあります。本棚全体の水平方向への剛性は、左端の列に配置されたブレース材で確保されています。また、天井と本棚との間にはほとんど隙間がないため、万が一前のめりの力がかかった場合でも、棚板が天井に支えられて転倒を防止します。この頑丈な本棚には、組み立て式の猫ステップも取り付けられています。

この事例と関連するプロダクト