陽のあたる部屋の中央に机と椅子が置かれ机上にはPCが一台だけというシンプルで気持ちのいい書斎の左側壁面を「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」で構成しています。
大きな掃き出し窓から光が差し込む明るい部屋の壁面に、カスタムオーダーの「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を設置し、書斎または在宅ワークのためのワークスペースとして活用しています。部屋の中央には作業デスクと椅子が置かれ、机上にはPCが一台だけというシンプルな構成です。その左側には本棚が配置されています。本棚は縦7コマ×横7コマの既製品を基に、右側2列分の上部4段をカットして高さを調整し、そのスペースをプリンター台として使用しています。
ワークデスクは窓に向かって設置されPCに向かう視界には薄いカーテンがかけられています。デスクの左手に位置する本棚の窓側の2列分がチェスト状になり、プリンター台としてお使いのこの周辺とデスクのエリアがワークスペースとなっています。ここに在宅ワークで必要な要素を集中させています。
プリンターの下部にあたる4つのセルには本棚専用のアクセサリーの、4種類の「引き出し」がセットされています。引き出しの前板に丸い小さな穴が整然と並ぶだけのミニマルなデザインで業務に集中するための静かな面を作り出しています。この「引き出し」には、プリンターの周辺に散らかりがちなインクカートリッジやステーショナリーなど、さらに外出用のバッグなども分類されて格納されていてクリアな仕事環境が出来上がっています。7コマ×7コマの本棚の一部を加工した構成ですがこの使い勝手から来るアレンジは表面の引き出しの面で作るマッシーブな感じと相まって落ち着いたデザインになっています。
在宅ワークを始める際に特に重要なのは、業務に関する資料や機密情報が不用意に外部のものと混在しないように、自宅に区切られた環境を作ることです。本件では、整頓されたクリアデスクとその周辺のスペースを本棚を活用して整備し、情報を管理するための物理的にセキュアな在宅ワーク空間が実現されています。具体的には、右から3列目のセルにはカレンダーが置かれ、その下のセルにはファイルが立てて収納されています。これらは仕事関係の用途で使われていますが、他のセルとは異なる使い方をしており、プライベートな部分と明確に区別されています。このように、業務とプライベートを明確に分けることで、効率的かつ安全なワークスペースが整っています。
奥行き350mmの本棚には、カセット式の専用アクセサリーが何種類も用意されています。本件でもワークスペースの4つの「引き出し」をはじめとして、多くのセルでそれらが活用されています。
本件で積極的にお使いいただいているのが「本棚の中の棚」です。奥行き350mmの本棚のセルは書籍を大量に収納できる容積を持っており、文庫本や新書など幅が106mmの書籍ならば前後に3列で収納することが可能ですし、セル内の上部の空間にも重ねて充填することができます。ただ、書籍は詰め込んでしまうと、奥になった書籍は隠れてしまってその存在の確認が非常に困難になります。この問題を解決するために用意されているのが「本棚の中の棚」です。セルの中に挿入して使うコの字型の小さな棚で、サイズのバリエーションがあります。後列の書籍の背表紙をわずかに高くして、一部が見えるようにするのです。ブレース材の下のセルと、左から2列目のセルで「本棚の中の棚」を2つ組み合わせて蔵書を3列に並べている様子がわかります。
本件ではこのように書籍の収納をいくつかのセルに集中させて他のセルには余白を作り、その余白を飾り棚としても活用されています。中央部のセルには、こうして作ったスペースに花を生け、陶器の人形を飾り、カメラをディスプレイのように配置しています。ここは椅子に座った時に視界に入る位置です。本棚のセル内の密度をこのように調整して大容量の壁面収納が全体として単調なビジュアルになってしまうことを防ぎ、書斎の居心地の良さを作り出しておられます。
マルゲリータの本棚は縦板と横板を嵌合して形成しています。水平方向への強度は四隅に配されたブレース材で確保できているので背板を入れる必要がなく、背後の壁は棚板を透かして見えています。350mmの奥行きを持つ本棚ですが、壁との間の空間に棚板による陰影の濃淡ができていて、壁面の景色には抜け感が生まれています。
本件では最下段にコンセントがありますが、それを活かしてスピーカーが置かれ心地よい音が広がるためにも絶好の配置になっています。最上段には両端のセルに突っ張り棒を配して前面への転倒防止策としています。
室内は淡いベージュの壁と天井、明るい色のフローリングで統一され、木製のワークデスクと椅子の色も丁寧に合わせられています。プリンターの上にあるアートワークも部屋全体とのバランスが取れています。一見すると、室内で強いコントラストを持つ要素はシーリングライトとディスプレイだけに見えますが、実際には本棚に収められた蔵書の背表紙が色彩的に大きく変化しています。しかし、本棚の見付のグリッド状の細いラインがこれらの色面を静かにまとめており、室内は多くの要素を含みながらもミニマルな印象を保ち、静かな佇まいを維持しています。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
その他の事例を見る