千葉県のマンションにお住いのお客様、その書斎にデスク付き本棚を中心に「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を設置いただきました。デスク付き本棚は2列で製作し本棚はそこからそのまま連続する形で後方まで回り込み、その部屋の入口を挟んで再び連続します。テレワークが増えてきた昨今の事情に対応するワークステーションに昇華した書斎の様子です。
出窓の窓台とデスク面を揃える
この書斎作りの第一歩なっているのはデスク付き本棚のデスク面と窓台を組み合わせてそれを連続させ窓台をデスクの延長として外に向かうワークデスクを作り上げている点にあります。
出窓の窓台は一般的に床からの高さが700mm程度のものが多く、マルゲリータの商品に於けるテーブルを中心としたカウンター付き本棚、デスク付き本棚は全てその机上面は床から720mmのため本件に於いてもその高さがほぼ同一であったためスムースに計画が運びました。
広がるデスクトップ
窓に面した作業スペースが広がるとデスクトップに於けるさまざまな課題が一気に解決します。特に机上のモニターの配置です。座った姿勢からある程度離した位置にモニターを置けることは、近年一般的になったリモートワークにとって大変重要な要素です。
手元に書類を広げるスペースが確保できるかどうかは、作業効率に直結します。また、椅子に座る姿勢とモニターの位置関係は、肩こりや眼精疲労に影響を与える可能性があります。そのため、仕事のスタイルとデスクトップの構成を最初に決定することが重要です。書斎の構成を考える際、この基本を押さえることで、後続の様々な課題も順次解決していきます。この原則は、書斎に限らず、インテリアを含めた建築計画全般においても適用されます。
本棚のデスク面は、棚板の一部を延長し、セル2つ分を利用して机にしています。延長部分を横幅として、本棚に直角に座る形です。デスクの天板は1550mmの奥行きがあり、本棚の内側は350mmです。そのため、デスクの有効幅は1200mmとなります。実際には、座って左側の本棚内部も手元の資料や文具などを置くスペースとして活用できます。さらに、デスク面と出窓の窓台が連続しているため、デスクトップの作業スペースのストロークは深く、より快適な環境を提供します。
デスク付き本棚のデスク面と出窓の窓台が連続します。このスペースの広がりがデスクトップを更に快適なものにします。
3面本棚の書斎
このようにして、まずデスク付き本棚と窓台の高さ、位置を揃えて圧倒的な作業環境を整えます。その後、この基盤を囲むように本棚を配置していきます。本件では、部屋の柱などの凹凸に合わせて残りの壁面をすべて本棚で覆い、膨大な書籍を全て収納することに成功した事例です。
結果的にこの書斎は
●机の前に座って動けるスペース、
●本棚の前に立って書籍が見渡せるスペース
以外が総て本棚で埋め尽くされお客様ご自身の知識、教養と本棚に並べてあるコンテンツがほぼ同期化されていると言っていい圧巻のワークステーションが出来上がりました。
デスクが組み込まれた本棚は、壁の梁とエアコンの配管が干渉する部分をカットしており、左側が7コマ、右側が5コマとなっています。この棚の左隣には、部屋の形に沿って少し奥まった場所に、縦7コマ×横3コマ、奥行き350mmの本棚が配置されています。この本棚は、室内に大きく張り出している梁を避けるために、上部背面を深くカットしています。
上から4段目の棚の背後には窓があり、収納された本の間から光が差し込む「光の通路」が形成されています。普段、この窓は開閉されない設定になっています。窓の下に位置する下から2段目と3段目の棚には、A5サイズの本が2列に収納されています。一番下の段には、半透明のファイルボックスを使って書類や資料がグルーピングされて収納されています。この壁面に設置された本棚は、互いに連結されており、複数箇所で壁面に固定されているため、マルゲリータの特徴である斜めのブレース材は使用されていません。
机の右側の壁面
机の右側の壁面には、縦6コマ×横4コマの本棚を、壁にピッタリと沿わせて設置しています。大きなサイズの本は最下段を使って床に直接立てて収納するなど、合理的な配置になっています。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
SERIES22
3面本棚
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