埼玉県に本拠地を置く大手不動産会社が展開するショールームの一環、戸建て住宅的に運営されるそのショールームに「Shelf 開口部のある本棚」を導入いただきました。
ブラインドのかかった掃き出し窓のある壁と、キッチンカウンターのある壁に囲まれた淡いサーモンピンク色のアクセントウォールを背景に「Shelf 開口部のある本棚」縦7コマ×横7コマを設置していただきました。本棚の右側の壁には通気口があるため、その前に空間を確保して設置してあります。また左側にはカーテンレールボックスに繋がった梁があるため、上2コマ分をカットしてあります。
本棚はアクセントウォールを覆い尽くしています。天井と縦板との間には僅かな隙間しかないので、前方向へと倒れる力が働いた場合も棚板が天井にかかって転倒を防止します。棚板と収納されたコンテンツの間からアクセントウォールが見える、背板のないマルゲリータの本棚の特徴がおしゃれに彩られたリビングです。
上方4段目と5段目に当たる中央2枚の縦板をカットして縦2コマ×横3コマ分の開口部が設けられています。開口部の上部も他のセルと同様の強度を保ってそのまま本棚としてお使いいただける様に開口部には補強用の桁材が渡してあります。四隅のブレース材で本棚全体の剛性を高めつつ、開口部の補強も施されている頑丈な構造の本棚です。開口部の形状は既製品として4つのバリエーションをご用意していますが、天井や梁、背後の窓などの形状に合わせたオーダー加工も可能です。大掛かりなリフォーム工事をすることなくそのスペースに合わせた形状の棚を置くだけで、造作家具のような壁面収納を実現することができます。
この様にもっぱらディスプレイスペースとして使われているセルにより余裕のある住環境が演出されています。本棚は棚板で等間隔に区切られているため、配置されたオブジェクトの周囲を取りまく空間が作る独自の世界の中央には求心力が発生して小さなモノにも自然と視線が集まるディスプレイ空間になっています。また、本棚とその周辺にはいくつものフェイクグリーンが導入されていますが、本棚のシナ合板の質感とグリーンは相性良く馴染んでいます。フェイクグリーンは時々埃を払う程度の手間をかけるだけで室内を明るくしてくれる便利なアイテムですが、室内の風通しや光の届き方に配慮しながら鉢植えの観葉植物を配置して生育を楽しむこともできます。但しその場合には無塗装の棚板に水が染みないように水受け皿が必要です。
本件ではショールームとして室内を魅力的に演出する目的で本棚が使われているため、収納されたアイテムはテイストを揃えて丁寧に選ばれていますが、実際に生活の場として暮らすようになると、それぞれのセルに収納されるモノの色彩や形状の振れ幅が大きくなっていきがちです。そのような状況になっても本棚の最前面には細い棚板の見付が描くグリッドラインが現れ、光を受けてハイライトとして壁一面を覆います。ブレース材の描く斜線による集中線のような効果も加わりつつ壁面全体が統合されて、リビングの背景にふさわしい静かで寛いだ印象が生まれてきます。
日本の住宅の限られた室内空間においては、収納を垂直に積み重ねる壁面収納は収納力を増強する方法として非常に有効で、居住スペースを確保しつつ大量のモノを保有するための絶好の解決策となります。また室内に散らかってしまいがちな小さなモノを壁面に収納する際には小箱や引き出しなどを使って見えない収納を形成することで生活臭を隠し、視界のノイズをさらに減らすことができますが、マルゲリータの奥行350mmタイプの本棚には収納の機能を高めつつ外観を整えるための専用オプションツールのご用意があります。そのため見せる収納と見せない収納を明確に分けつつその構成はあくまで自然な形に収束させることが出来ます。
本件の下2段には専用オプションツールが4台導入されていて、ショールームに必要な備品等の収納にお使いいただいています。
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壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
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