リビングの壁一面に「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」縦7コマ×横5コマの本棚を配置していただきました。
床から天井近くまでをほとんどを覆い尽くすように置かれた本棚には、ご夫婦それぞれのお好きなものがいっぱいに並べられています。右側の壁の上部に薄く張り出した梁がありますが、梁の下と本棚との間にできた隙間も壁面全体の陰影の一環となって調和しています。壁と天井の白と、フローリングのナチュラルな色彩と、壁いっぱいを占める大型の本棚の色合いと木の質感とが、自然に馴染んでいます。縦板の上端と天井との間には隙間がほとんどないので、万が一、前のめりの方向へ倒れる力が働いたとしても、棚板が梁にかかって転倒を防止します。
本件ではセルの高さをいっぱいに使ってさまざまなコンテンツが収納されていて、比較的薄い雑誌やLPレコードなどのコレクションが目につきます。ここに収納されている雑誌のような薄い冊子は、水平にして積み上げてしまうと、下に入ったものを後から取り出すことが難しくなってしまいますし、大切なLPレコードを水平に積み上げるという状況については、コレクターならば想像するだけでも嫌になってしまうような、絶対に避けたい収納方法でしょう。本棚のグリッド状のスペースを活用してこのように垂直に立てて背表紙を並べて壁面いっぱいに集積すれば、薄型のコンテンツを安定した状態で保管しやすくなり、見た目にも美しく、探す時にも容易に目的の一冊にたどり着くことができるようになります。
またさまざまなサイズの単行本も収納されています。最下段と下から2段目では350mmの奥行きを活かして、単行本が前後に２列に並べて配置されています。いくつかのセルでは書籍を奥に寄せて配置して、その前にできたスペースにオブジェクトを置いて、書籍を収納すると同時にディスプレイスペースとしても活用しています。上から4段目の置き時計が配置されたセルでは、置き時計の前にできたスペースに腕時計が置かれていて、ここには「時計の定位置」というテーマのはっきりしたスペースができています。
いくつかのセルでは、書籍の表紙を正面に向けて配置されています。ピックアップされたお気に入りのLPレコードジャケットや、写真スタンドに飾ったアートワークにも、おしゃれなセンスが光ります。本棚の表面に見える景色は「書籍やレコードの背が描くストライプの集合体」としてだけでなく、趣味や好みを反映したオブジェクトによる魅了的なビジュアルとなっていて、お部屋の主のテイストが強く反映されたディスプレイスペースとして室内を彩っています。配置されたそれぞれのアイテムは棚板による均質なグリッドラインによって整然と並んでいるので、それぞれのセルに展開された世界観は、全体として統合されています。書籍の表紙やLPジャケットを季節の移ろいに合わせたり折々のテーマに沿わせたりしてチョイスすれば、季節感や雰囲気のバリエーションを手軽に楽しむこともできます。そんな時にも本棚最前面に常に現れているグリッドラインがこのスペースの全体の印象を整えて、リビングの居心地の良さが保たれます。
【お客様からのメッセージ】
天井近くまであるシェルフのいちばん上まで手が届きやすいように、以前アンティークショップで購入した踏み台を配置しました。ショップで見つけた時には、こんなに実用的に使用することになるとは思いませんでした（笑）夫婦それぞれの好きなものを棚いっぱいに並べて、眺めているだけで大満足です。
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