ゲーム・アニメーションなどのキャラクター商品を企画制作されている会社の来客用スペースおよび社長室に「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を導入いただきました。
来客用スペース
来客用スペースとして広くとられた空間の壁に左端を柱に沿わせて設置された大型の本棚は、床に敷き詰められた濃色のタイルカーペットと白い壁と天井に囲まれた空間に溶け込み、梁下の空間に造作家具のように収まっています。パーティション的な役割で置かれているグリーンは空間を彩りつつも本棚の色調とも相対しています。
左端の列の最下段のセルに音響用の機材が置かれているために、通常はこの位置に配置されるブレース材が右隣のセルに置かれています。
マルゲリータの本棚は厚さ15mmの縦板と横板にそれぞれ切れ込みを入れて、相互に嵌め合わせて組み立てられています。格子状に組み合わせられた棚板は固定されているため動かすことができませんが、固定された棚板は常にその最前面にグリッドを作って整然と並びます。
この本棚は自社製品を並べるディスプレイボードととしてお使いいただいています。それぞれのセルに密度高く並べて展示されたキャラクターグッズには棚板によって区切られた小空間が与えられています。キャラクターグッズはシリーズの展開によって大きさやデザインや質感がそれぞれ異なりますが、独立した小空間の内側でその世界が完結しているために隣り合ったセルに異なるキャラクターが並列していても競合しあう状態にはならず、個々の持つ雰囲気がフラットに伝わります。
セル1コマのサイズは幅325×奥行350×高さ325mmで、A4よりも大きめのカタログやマガジンやLPレコードなどを収納できるサイズで、四隅に置かれたブレース材の働きで水平方向への剛性が十分に確保されているため背板をつける必要がない構造です。棚板の奥行き全体を収納スペースとして活用することができ、棚板を通して背後の壁面まで見えるようになっています。
形状も色も異なる大量のキャラクターグッズが、上下左右の棚板に柔らかく反射するほのかな光を受け、全体として統合された魅力的なディスプレイ空間を壁面上に作り上げています。棚板と壁に囲まれたキューブ状の小空間の中央にはそれぞれに求心力が働き、その小さなものに視線が集まります。周囲を四角い枠線によってトリミングされた状態なので内側に淡い影を含んだ均等な空間が形成されており、それが縦横に連続し、それぞれのセルに飾られたモノの質感やボリューム感がその個性を際立たせあうと同時に、隣あったセルの世界観が異質なモノであったとしても互いに干渉することなく存在します。
社長室
社長室にも「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」縦7コマ×横6コマを設置し、ディスプレイラックとしてお使いいただいています。窓際のワークテーブルから連続する打合せ用テーブル、応接セットとそれぞれ連携しながらコンパクトに配置されています。
窓から左側の柱までの寸法に合わせるために本棚の横幅を横6コマに調整し、左端の列の幅を狭く加工しました。また、梁の高さに合わせるために左端の縦板と右側2枚の縦板の高さを調整しました。背後の壁には設備用点検口があるためこの部分に開口部を設けた結果、副次的に一回り大きなディスプレイ空間が作り出されました。額装されたアートワークと背丈のある観葉植物の鉢が置かれて、また必要に応じていつでもその点検口を開くことのできるスペースとなっています。開口部の上部の棚が他の部分と同様の強度を備えるように補強の桁材が渡してあります。本棚全体の剛性を4枚のブレース板で高めつつ開口部の補強も行っているため安定した構造です。
本件は梁や設備用点検口があり複雑な形状の壁面ですが、細かなオーダー加工を施したことでこのスペースの床から天井までを覆い尽くすオーダーメイドのディスプレイラックが実現しました。
本棚自体は設置場所の寸法に合わせて左列の1コマを小さく加工、更に設備用点検口に合わせた本棚の開口部を持ってくることにより一回り大きなディスプレイ空間を作り出しています。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
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