都内にあるデザイン事務所で新しいオフィスの内部造作にあわせて特注の「Shelf 開口部のある本棚」「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」をお使いいただいています。
柱を囲む
ワークスペースの真ん中に柱があったためその使い道を悩んでおられたのですがそれを逆手に取りその柱を囲むように収納棚を配置されてます。
オフィスフロアの真ん中に柱がある場合その存在を目立たせなくするために
・柱を取り込んだカウンター等の造作家具を作る
・鏡を貼って存在感を消す
・掲示板、ディスプレイモニター、ポスター、時計等の壁面を使う
という方法で何とかその存在を目立たない方向に持っていくあるいは壁面として積極的に活用するという方法が一般的です。本件は大胆にもその柱4面を壁面収納で包み込むという手段を取られました。柱そのもののサイズに本棚の奥行を加えると面として扱った場合1500mm-1800mm程度になりましす。それだとほぼ普通の本棚のサイズで若干の寸法的な調整は行ったとは言え、面で観る限り特に違和感を感じません。
違和感どころか4面が本棚になっているため仕事上で共有する書籍をここに収納できるため使い勝手よくお使いいただいています。
本棚を直角に並べる場合その角の内側が入隅の場合、そこはデッドスペースとなるため使い道に困りますが、本件での直角は出隅になりそもそもデッドスペースは発生しないため、至って有効にお使いいただけます。
その使われ方は別にして出隅でこうしたグリッドとプレーンな壁が隣り合うとイタリア、コモにあるジュセッペ・テラーニ(Giuseppe Terragni)(※1)のカサ・デル・ファッショ(Casa del Fascio)(※2)のファサードを彷彿させます。期せずしてそのイタリア合理主義建築の代表的な作品の表層と似ているわけですがそのカサ・デル・ファッショ(Casa del Fascio)自体も実は似たような奥行きのあるファサード4面で中心部を囲みその中心部は巨大な空洞にしている点と少しだけ共通項がある様に思えます。もちろん厳格な黄金比で作られたファサード及び完全な正方形の平面計画でコモ湖の前に佇むこの名作と比較する事自体意味はありませんが構成そのものには似た要素があることが分かります。
(※1)ジュセッペ・テラーニ(Giuseppe Terragni)
ジュゼッペ・テラーニ(Giuseppe Terragni、1904年4月18日 – 1943年7月19日)はイタリアのモダニストの建築家、都市計画家。合理主義建築を代表する建築家。ムッソリーニ政権の基でインターナショナル・スタイルにいち早く反応しイタリアにおいて普及させようとした。同時に、新しいファシズム体制のための建築を多数設計している。
(※2)カサ・デル・ファッショ(Casa del Fascio)
カサ・デル・ファッショは、1932年に着工して1936年に竣工。 1936年はベニート・ムッソリーニ政権下であり、ファシスト党の地方支部として完成。 ここは、大衆参加の大規模なファシスト集会のために、ガラスのアトリウムを中心とした古典的な宮殿として概念化されています。 1957年からは警察の州本社がありました。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
その他の事例を見る