オフィスデザイン会社、株式会社木下商会様の自社オフィスの壁面に「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」縦7コマ×横7コマを設置していただきました。ビルの倉庫をリノベーションしたオフィスをシェアワークプレイスとして開放し、その一角に置かれた大型の会議用のテーブルの近くに壁一面の本棚が設置されました。
デザイン設計を手掛ける木下商会様は、スタートアップや成長過程にあるクライアントが中規模オフィスへの移転の必要を考える際に、それを好機として経営コンサルタント的な視点を加えながらオフィスプロジェクトに参画していくことを得意とされているオフィスデザイン会社です。自社オフィスを体験型のプレゼンテーションルームとしてもお使いになれるようにデザイン、そこにマルゲリータの本棚を採用していただきました。
天井板を外すことで高くなった天井面は、ラフで無骨なコンクリートの打ち放しの表面と現れたダクトを白く塗装してあります。壁も白く塗装され、床はワイルドでインダストリアルな質感のモルタル風に仕上げてあり、開放的で自由な空間が出来上がっています。オフィスに設置された家具やツールは実際のスペース体験を通してクライアントに提案するために厳選されたものばかりで、高い機能性とデザイン性がここで体感できるようになっています。
その壁面に置かれた本棚はカタログ棚として利用されていて、厚いカタログやサンプル帳などが収納されています。本棚の縦板の端と梁の高さとの間には僅かな隙間しかありませんので、万が一、前のめりの方向へ倒れる力が働いたとしても、棚板が梁にかかって転倒を防止します。
本棚のカタログが置かれていないセルが若い事業の「伸びしろ」の象徴のようにも見えています。また、本棚の上部は収納に使わず敢えて贅沢にブランクにしてあるために、この空間には光と影の作る複雑なパターンが映し出されていて、欄間飾りのような光の遊動するゾーンが出来上がっています。複数の天井灯が異なった角度から棚板を照らしているために、白く塗られた壁面には濃淡様々な影がかかって動きの感じられる背景を描いています。また、この本棚は背後の壁に密着させて置かれていますが、壁に残るわずかな不陸を通った光が棚板と壁との隙間にランダムな明るさを作り、リノベーションで現れた壁面の無骨な質感を飾らないあるがままの状態にすることで味わいのあるおしゃれな印象へと進化させています。
本件では左側の2コマには箱に入った物資がストックされていて、右側の5つのセルはブランクになり、そこでは室内の床と背後の壁が見え、その前に縦のラインを描く細い棚板が等間隔で並び、大型の本棚が高床式の倉のように宙に設置されているような浮遊感のある視覚効果を醸し出しています。オフィスの壁面収納スペースとして本棚をフル活用することももちろんですが、敢えてブランクとすることによって室内の雰囲気を演出することもまた、快適なオフィスデザインにおける本棚の使い方の一つのアイデアです。
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壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
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