都内のグラフィックデザインの事務所に「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」を設置いただきました。
打放しコンクリートの型枠跡のラインがあらわれている天井、黒いフローリングが敷かれた広い作業スペース、白くペイントされた壁と建具など、モノトーンで揃えられた都会的な室内の大きな壁面に、大型の本棚が造り付けの家具のように納まっています。厚さ15mmの板を組み合わせて構成されたミニマルな形状の本棚がスタイリッシュな室内を引き立てています。天井と壁のコンクリートによる無機質な雰囲気に木材の質感のコントラストが加わって、寡黙なぬくもりを帯びた心地よさが演出されています。
水回りスペースとの境目の通路には白いプリーツスクリーンがかけられていて、ほとんど面積を取らない状態で視界を遮断することに成功しています。
3台の本棚が、水回りへの入口を囲むように門型の開口部を作って設置されています。左端の本棚が開口部の左側を形成しており、縦7コマ×横5コマの基本形から、最上段と左2列を残して右側の縦6コマ×横3コマ分をカットしています。この本棚の高さは水回り入口の建具の高さに合わせてあり、建具の縦枠と本棚の開口部の下辺の高さを揃えるため、最下段で縦板をカットし、建具の上枠に最上段の底板が乗るようにしています。こうして決まった左側の本棚の高さに全体の高さを合わせています。
持ち出し部分の幅は入口の建具の幅に合わせてあり、右に伸びた部分は2枚の縦板を挿入して3等分し、横板に撓みが生じないように梁下に向かってコンクリートビスで固定されています。右側の広い壁面には、中央に縦7コマ×横5コマの本棚、右端に縦7コマ×横4コマの本棚が配置されています。右端の本棚はこのスペースの幅に合わせるために基本形の1列分をカットしています。梁と本棚の上端との間には隙間ができており、本棚の最上部は既製品とは異なり天板状に仕上げられています。
本棚の内部は基本的にボックスファイルを使った収納になっています。下部はフローリングとほぼ同じ濃さの黒から始まり、上に行くにつれて白色になるグラデーションが施されており、視覚的に安定感のある構成です。さらに、等間隔のグリッドラインが被せてあるため、整然として落ち着いた印象を与えます。
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壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
SERIES13
小規模オフィス
このシリーズではオフィスにおいてマルゲリータの家具を使った際の考え方、レイアウトなどを紹介しています
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