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床に座る生活 座卓 / Tavola

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川崎市の市街を見下ろす高台の丘陵にあるテラスハウスにお住まいのお客様のマルゲリータ使用例です。綺麗にリフォームされたマンションのリビングに「Tavola 座卓」を設置いただきました。

ダイニングキッチンから繋がるこのリビングは、テラスに続く開き戸、大きな掃き出し窓、そして部屋のコーナーに取り付けられた幅広い腰窓といった大型の開口部が特徴的で、開放的な構造を持っています。床に座る形で生活できるように設計されており、リビングの長手の壁には腰窓の下に座面収納が配置され、反対側の壁にはテレビボードを含む壁面収納が設置されています。フローリングが張られたリビングの正面はそのまま広い窓の先のテラスへと繋がっており、テラスからは灌木が植え込まれた景色を通して川崎市街が広がります。

そのフローリングの上に「Tavola 座卓」を設置していただきました。座卓の天板はフローリングの色調と同系色であり、天板に現れる木目もフローリング材と方向が揃っているため、室内に配置された大きな天板は存在感を持ちながらも、床から浮遊して視界に溶け込んでいるように見えます。

座卓

Tavolaは、天板を機能的かつ美しく見せるために他の要素を極力排除したミニマルなデザインを追求したテーブルとデスクのシリーズです。テーブルやデスクは天板と脚部で構成される家具ですが、その本質的な機能は天板の「面」にあります。部屋の中に机が置かれることで、これまで存在しなかった高さに「面」が出現し、このことが家具の究極の機能を実現しています。仮に脚部だけが存在しても、このような空間の変化は生じません。この「面」が部屋の空気を変え、その周辺の動きを変化させ、室内空間を新たに作り上げます。

Tavola 座卓では、床の上空に現れる面の高さが340mmと低いため、座卓の周辺での動きは必然的に低い姿勢となります。Tavolaの座卓は、床に座るという行為を促し、大きなテーブル面を成立させることを目指してデザインされています。そのため、最小限の要素で構成し、それぞれを単純な形状に収束させ、全体をミニマルなデザインに昇華させることを試みています。その到達点が、天板、柱脚板、桁の3つの面が互いに直交する構造です。

両脇に配置された2本のプレート状の脚と、天板を受ける梁状の2枚のプレートを嵌合させることで、脚部の上に配置された天板は4本の線で囲まれる面で支えられています。この構造は、X、Y、Zの三方向に組み合わされることで剛性を保ち、全体として一つの安定した塊となっています。仮にぐらつきが発生した場合でも、緩んだ箇所のボルトや円盤を締め直すことで再び安定した形に戻すことができます。

座卓、床に座る生活

リビングに置かれたTavola 座卓が過ごす姿勢を規定するため、生活の中での動きは自然と座卓の天板を起点として低い位置で行われるようになります。食事をとったり寛いだりする際には、正座、膝を崩す、胡座、寝そべるなど、床に近い低い姿勢が基本となるライフスタイルが営まれます。低い姿勢を取ることで、視線の出発点が椅子に座る場合よりも低くなり、天井と床との空間が広がるため、部屋全体が広く感じられるという大きなメリットがあります。

このリビングで床に座ると、視界は座卓の向こう側の窓の先まで見通せ、フローリングの先に続くテラスからさらにその先の景色へとつながって見えるため、リビングが空へと連続して拡大していくような、極めて開放的な空間が作り出されています。

床に座る生活

床に座る生活は、伝統的な日本文化において慣習的なスタイルであり、日本の生活文化に根付いた生活様式の一つです。しかし、現代の日本ではそのスタイルが失われつつあります。座卓によって作り出される室内環境は、和室の持つミニマルな日本的美意識や自然と調和した生活の豊かさを思い出させてくれます。嵌め殺しのコーナー窓の下には座面収納用の家具が設置されており、低く座る姿勢に対応した長椅子としても機能します。この長椅子に腰掛けると、反対側のテレビボードと壁面収納が目に入り、その中央に座卓が設置されています。

純和風の畳敷の部屋に設置するのではなく、フローリングが敷かれてアルミサッシの大きな窓が開口部を作る室内に敢えて座卓を配置することで、新しくも懐かしさに彩られた心地よいライフスタイルが創出されているようです。

座卓のある床に座る生活

Tavolaの素材には無垢集成材を使用しています。集成材は、小さな「挽き板」と呼ばれる木を乾燥させ、それらを丁寧に貼り合わせ、フィンガージョイントで接合して形成される木材であり、非常に強固で耐久性が高い素材です。挽き板は天然の木目や木の質感を持っているため、美しい風合いを楽しむことができ、長期間にわたって使用しても表面の傷や損傷が少ない状態を保つことができます。無垢材と比較すると安価でありながら、割れや反りが生じにくく、隙間やひび割れも発生しにくい、安定した品質が特徴です。また、傷やスレがついた場合にも修繕が比較的容易で、研磨や塗装などの簡単な処理で新たな状態に戻すことができるため、リサイクルや再利用も可能な持続可能な選択となります。

座卓と床に座る生活
夫婦床に座る生活

この座卓はそんなお二人のライフスタイルのお役に立っている様にお見受けできました。


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