静岡県の戸建て住宅にお住まいのお客様,リビングルームに連続した一段下がった土間のスペースに、「壁一面の本棚 奥行250mm」を設置していただきました。
土間の心地よさ
土間とは、住宅の室内と外部の間にある、どちらともつかない曖昧な空間で、室内にいながら半分屋外のような気分を味わえる場所です。ここでは、室内でありながら土足で過ごし、バイクも置かれています。また、トップライトから自然光が差し込み、屋外のような雰囲気を持ちながらも建築的には完全な室内空間となっています。ここでは、土間の壁面に採光、収納、ディスプレイの機能を加えることで、ご家族にとって特別なリビング空間を作り出しています。
土間の上部は吹き抜けになっており、高い天井に続くトップライトから自然光が差し込みます。1階の上部には3つの窓があり、ブラインドで視界を遮りながらも外の明るさと樹木の気配を取り込んでいます。土間にはバイクが2台置かれており、その存在感が視線を引きつけます。1台は窓に重なるように配置され、もう1台は床から少しだけ浮かせてハンギングされています。チューンナップされたバイクは、この家の住人が自転車をどれほど愛しているかを示しています。また、窓に直行する背の高い白い壁には壁一面の本棚が設置され、蔵書を収納するエリアとなっています。
さらに、バイクと本棚に囲まれたスペースには、大きなマッサージチェアが置かれています。マッサージとして使わないときには、クッションカバーでモミ玉を隠し、肘掛け椅子としても利用できます。広い土間に置かれたこの椅子は、向きを自由に変えることができ、本棚に向かって読書を楽しむことも、昼寝をすることもできます。気分に合わせて使用方法を変えられます。椅子に身を預けると、至福の贅沢な時間が始まり、家に居ながらにしてリゾート気分を味わえる、土間の機能を最大限に活用した空間となっています。
ビジュアルの相乗効果
窓の桟と梁に繰り返される縦横のラインが、室内全体の空間を引き締めている大きな土間の空間。ここでは、タイルのグレーの目地がスタイリッシュな雰囲気を作り出しています。その中に壁一面の本棚の格子柄が加わり、タイルの目地の格子柄と本棚の格子柄が重なります。タイルの目地の格子柄と本棚の格子柄はスケール感が似ており、違和感なく馴染んでいます。
この土間には高い天井、陽の光、ハンギングされたバイクという、空間の高さを感じさせる要素がいくつも取り入れられています。そこに置かれた本棚の縦のライン、および4本の対角線上に入ったブレース材の斜線が相乗効果を発揮しています。室内に居ながらにして開放された屋外の気分に溢れるリビングルームが出来上がっています。
土間の段差部分はこの様に本棚の側板を調整して連続して置かれています。
本棚の左列のセルは壁面のスイッチのために空けられています。本棚の背面が抜けているので、もともと壁面にあった機能を本棚の中に取り込むことができました。右端のセルは壁面のコンセントにアクセスでき、土間スペースでの電源を確保しています。この土間では大きめの巾木が使われていますが、セルから見えるように巾木のサイズに合わせて本棚の背面の裾部分をカットしているため、本棚を壁に寄せて設置できます。土間の段差部分では、本棚の棚板を調整して設置しています。本棚は土間とリビングを連続させる形で配置されており、ロボット掃除機もここに置かれています。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
その他の事例を見る