都内のマンションにお住いのお客様、そのリビングに「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」を、書斎兼仕事場には「Shelf 壁一面のA5判本棚 奥行180mm」を、設置していただきました。ここでは書斎兼仕事場に置かれた「Shelf 壁一面のA5判本棚 奥行180mm」です。（リビングに設置した「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」の記事はこちら）
縦10コマ×横7コマの「Shelf 壁一面のA5判本棚 奥行180mm」を、床から天井までほとんどすべてを覆う形で設置されました。本棚は奥の壁に左端を揃えて設置されており、入口から左側に広がる壁面は10段の浅い棚による収納スペースとなっています。デスクは本棚と直角に配置され、奥の壁を背にする形で椅子が置かれています。外光が入る開口部に向かって座りながら執務できる、落ち着いた書斎兼仕事場が完成しています。
白い天井、エンボス加工された白いクロス貼りの壁面、白い巾木、そして白いフローリングの室内に、本棚の色合いが自然に調和しています。本棚の背面には標準加工で巾木よけのカットが施され、壁に沿わせて設置されています。天井と本棚の間隔が狭いため、前後方向への応力に対しても転倒が防止されています。
この本棚はA5判の本の収納に特化してデザインされており、横板のスパンを短く取り、床から天井までのスペースに10段の本棚が積み上げられています。最上段と最下段以外のセルの内部有効寸法は幅325×奥行180×高さ220mmで、A5判の本（短辺148mm×長辺210mm）を横一列に並べることが可能です。大量に収納しても背表紙が隠れることなく並ぶため、目的の一冊に容易に辿り着けます。
格子状に組み合わされた棚板は強固に固定されています。全荷重を支える縦材が均等に配置され、横材のスパンが短く設定されているため、重いコンテンツを収納しても棚板に撓みがほとんど生じません。奥行き180mmの本棚の場合、1コマあたりの耐荷重は約20kgです。本棚は格子状に組み立てられた四隅にブレース材を配しており、平面方向への剛性を確保しています。そのため背板をつける必要がなく、背面の白いクロスが書籍や棚板の間から見えることで、視線が本棚の奥まで届くような印象を与えます。ブレース材が描く斜線は、コミックの効果線のような視覚的アクセントを加えています。
書籍は、A5判など判型が決まっているものが多い製品です。こうした定型のコンテンツを本棚に収めると、棚板の上に並んだ姿は横長の直方体を形成して太い帯状の集合体になります。更にそこを等間隔で並ぶ縦板が水平に並ぶ帯状の集合体を短いスパンで均質に区切ります。この結果、本棚全体は安定しつつ統合された光景に進化していきます。
書籍はサイズこそ均質ですが、背表紙を見ると非常にバラエティに富んでいます。特にコミック本の背表紙は、色彩やタイトルの文字配置、デザインが個性的で、派手な配色が選ばれているため、1冊ずつが強い主張を持っています。さらに、数十巻に及ぶ長編コミックでは、背表紙のデザインが統一されていることで、ボリューム感が一際強調されます。
本棚の右側には、コミック本が多数収納されており、そのボリュームと多彩なエネルギーが一目でわかります。しかし、本棚の棚板によって書籍が整然と並べられており、棚板が描くグリッドラインが視界を整理して沈静化させるため、全体としては書斎にふさわしい整然とした印象を与えています。
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