ゲームキャラクターのデザインをされている目黒区に在住のお客様、ご自宅に「Shelf カウンター付き本棚」を設置いただきました。
縦7コマ×横5コマの「Shelf カウンター付き本棚」を2台並べて設置していただきました。大きな壁面いっぱいに広がったこの本棚は3段目の棚板が前面に伸びてカウンターを形成しています。カウンターの脚部は両端の側板と縦材の一部が伸びて形作られているため、この壁面には4つの脚が張り出した形です。また上部梁型をかわすために、全体の高さと右端部分の棚板は加工され梁下にぴったりと納まっています。この形状のために本棚は前後に対して安定しているため特に転倒防止の処理は行っていません。マルゲリータの本棚は平面的な剛性を確保するために本棚の四隅にブレース板を置きますが、本件のように２台並べる場合には隣り合う側板同志を固定したうえで全体の両端に置きます。上部のブレース板は本棚の上から２段目の両端に配されています。カウンターの下のブレース材は、右側の椅子の置かれたスペースの奥に配されています。
右のカウンターには、ゲーミングキーボード、PCと外付けキーボード、プロ仕様の大きな液晶タブレットが並び、カウンターの右端にはアクリルケースに入った超合金フィギュアが納められ、そのアクリルケースの上にも大型のフィギュアが置かれています。ここにはエルゴヒューマンのオフィスチェアが置かれて、メインのワークスペースとなっています。椅子に座った際に正面になる目の高さのセルには、資料などが整然と積み上げられています。視界に入るノイズをできる限り抑えてゾーンに入った状態になりやすくしているようです。
左側のカウンターに集積されているのは、音響テクノ関係の機材です。nord leadのシンセサイザーを中心に、KOREとAKAIのMIDIコントローラが並び、棚板に設置されたモニターアームスタンドの背後にはmoogerfoogerのエフェクトプラグインと２台のスピーカー、ヘッドフォンスタンドとハンドマイクのスタンド、さらにパソコンが設置されており、サウンドクリエイションの拠点となっています。
カウンターの下には丸い座面のスツールが置かれ、その近くにはスピーカーを背後にセットした大きなソファが置かれています。ここで行われるサウンドに関するワークは様々なデバイスを縦横に作動させて行はれるので、高性能チェアに深く包み込まれるようにして座った体勢でいるよりも、身体をアクティブに動かせる方が向いています。左側の壁には大型の鏡が貼られ、ソファの背後の壁にはエレキギターとエレキベースがハンギングされています。
棚板にはクリップ式のライトが5台装着されています。これらのライトは、デスク面を照射せずに、天井に光源を向けその反射光を使っておられます。目を酷使する作業では角度を変えられる光源を複数確保できていることは貴重です。しかも、クリップ式なので、デバイスで溢れたカウンター面の稼働面積を潰すことがありません。メタリックシルバーのライトとゴス系テイストのデコラティブなシーリングライトとの組み合わせは、スチームパンク的な雰囲気を醸し出しています。
2台の本棚が並ぶ部分に収納の工夫が見られます。右側のカウンターのパソコンの後ろの棚に、プラスティック製のケースが2台積まれその中に細々としたモノが詰め込まれています。ミリタリー調の色を選びその質感が室内の雰囲気を壊さないように配慮されています。中央部には、アンティーク調の小引き出しが置かれています。小引き出しと棚板との隙間はMIDIインターフェースの置き場になっています。細かく貼られたラベルによってこの6つの小引き出しがヘビーに活用されていることがわかります。小引き出しの脇にそっと置かれた太田胃酸とサクマ式ドロップスの缶に、お部屋の主人公の気配を感じ取ることができそうです。
この本棚にはその前面にも機能が付加されています。大量の書籍を収納する棚として、モニターアームスタンドの設置台として、ヘッドフォンのハンガーとして、照明器具の台として、ディスプレイ台として、本棚の機能は拡張されています。本棚全体に納められた夥しい物量が動的なエネルギーを常に蠢かせているような印象すら感じられます。そこに棚板の作りだす「均一なグリッド」（uniform grid）が覆い被さり、それによって本棚の持つエネルギーは保持されたままの状態でありながら、静止しした様に感じる、これはグリッドユニフォームと呼ばれる動的な画像の上に方眼の様なグリッドを被せることにより、流れる時間を静止させたかの様な印象を引き出す手法です。
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壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
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