3階建てTV番組制作会社の事務所に「Tavola ダイニングテーブル」を設置いただきました。ここは製作者が自由に利用できるフリースペースとして開放しておられ、休憩や昼食時に利用されています。
開放的な勾配天井とオフホワイトの壁、チュールのカーテンのかかった大きな窓によって明るさと清潔感が感じられる室内に、シンプルなダイニングテーブルが置かれています。大きなテーブルですが、存在感を強く主張することなく落ち着いたたたずまいを作っています。 リビングダイニングの床はナチュラルなライトブラウンのフローリングで、集成材のラインが室内の長手方向に平行に出るように貼られています。ダイニングテーブルの天板の集成材の木目もフローリングと平行になるように配置されています。テーブルも木製のチェアも、フローリングと同系色の製品がチョイスされているので、部屋の腰から下のゾーンはワントーンコーディネートになっています。
「テーブル」あるいは「机」というツールの本質は、今までは何もなかった空間の「ある高さ」に「平面」を出現させるという機能にあります。
「Tavola ダイニングテーブル」は、大きな安定した天板が宙にある姿を究極の形としてデザインされています。そのためにテーブルの脚を構造的に成立可能なサイズまでに細くすることによって天板を宙に浮かせる形に近づけています。木製脚のテーブルは、天板、柱脚板、それに桁と呼んでいる面材を互いに嵌合させて、それぞれがX、Y、Z軸の面となることで剛性を保つシンプルな構成で出来ており、天板と柱脚板と桁との全体が一つの安定した塊になるように形成されています。天板と脚板は専用金物で固定されていますが仮にグラつきが発生しても緩んだ箇所のボルトと固定円盤を締め直すことで安定する形に戻ります。スリムな脚に支えられているため座った際に足元が動かせるようになっていて、座るポジションを固定することの少ないフレキシブルさが生まれています。
テーブルの奥行きは対面で座った際に相手との距離が最適なバランスを保つ間隔である900mmを採用しています。テーブルの幅2,400mmは8人掛けのできるサイズですが、本件のテーブル周辺にはチェアが4台配されていてパーソナルスペースを広々と確保した状態で座ることができます。
このダイニングテーブルにはラバーウッドの集成材が使用されており、ナチュラルな色合いを生かすためにウレタンクリア塗装が施されています。集成材は、天然木の風合いと美しい木目を保ちながら、自然な温かみと豊かな雰囲気を持つ素材です。
集成材は、小さな木材片(挽き板)を集めて乾燥させ、木目を揃えて貼り合わせることで作られます。この過程では、非常に強力なフィンガージョイントと呼ばれる接合方法が使われています。その結果、集成材は均一な品質を持ち、無垢材と比べても割れや反りが少なく、安定した形状を保つことができます。またその大きなメリットとして、長持ちし、美しい状態を維持できる点があります。素材に含まれる水分を考慮した乾燥処理が施されているため、形状が変化しにくく、割れやひび割れが生じにくいのです。また、リサイクルや再利用が可能で、持続可能な家具選択としても優れています。傷や擦れが生じても、集成材は修繕が容易で、研磨や塗装によって新たな状態に戻すことができます。
さらに、ラバーウッド集成材にはオプションでガラス塗装を施すことも可能です。「ガラス塗料」は硬質で密着性の高いセラミックス膜を形成し、紫外線にも強いため、テーブルトップの表面に耐久性と耐性を持たせることができます。この塗料を使用することで、不燃性、撥水性、耐透水性、耐薬品性、耐汚染性に優れた特性が加わり、食卓としての使用に適した長期的な美しさと保護を提供します。
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