前回に引き続き、新宿区にあるランドスケープデザイン事務所に設置いただいた「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」の紹介です。
この事務所の廊下は、コンクリート打ち放しの壁と天井、明るい色のフローリングで形作られた空間です。本棚の正面には大きな開口部があり、ブラインドを通して外部からの陽光が届いています。本棚の前には白い丸テーブルと2脚のチェアが配されているので、軽いミーティングスペースとしてもお使いいただける明るく広々とした空間になっています。
本件では市販のファイルボックスをセルの中に3つずつ並べることで、ファイルボックスの前板が本棚の内側を隠す「見せない収納」を実現しています。この白いファイルボックスには雑誌などが整理収納されており、最新号をピックアップして、真ん中の段に表紙が見えるようにディスプレイしてあります。背表紙のない中綴じのタイプの雑誌やパンフレットには厚みがないので、本棚に立てて保存しづらいのが特徴です。また背表紙がないのでタイトルが見えづらいという特徴もあります。本件のようにファイルボックスを使い10冊ずつとか半年分ずつなど、一定のルールを作ってグループに分けて収納しておけば、探す際に便利であると同時に本棚の見た目も美しく整います。隣接する打ち合わせスペースでも同じ規格のファイルボックスを使ってインデックスをつけて収納しています。事務所全体の統一された室内イメージが作られ、同時に「見せない収納」も実現している事例です。また、こうして同じファイルボックスを並べてあれば、仮にその内側が、空っぽであっても、あるいは雑誌ではなく電源コードやちょっとした工具や文房具などの雑多なモノが納まっていたとしても、スペースのビジュアルがソリッドに整っているためにイメージが統一されて、視界に不要なノイズを感じることがありません。
雑誌の表紙を見せるディスプレイは書店などで見かけるいわゆる「面陳」と呼ばれる手法で、そこに美意識や個性を表現することができます。オフィスやご家庭のリビングにおいても、この手法を用いて書籍の表紙をアートワークのようにディスプレイする事例が多く見られます。また、表紙を飾る書籍を本棚の端近くに配して、その後ろ側に小さなスペースを作り、「むき出しで見せたくないモノを見せないように収納する」といった、工夫を加えることも可能です。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
SERIES13
小規模オフィス
このシリーズではオフィスにおいてマルゲリータの家具を使った際の考え方、レイアウトなどを紹介しています
その他の事例を見る