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壁一面の本棚で間仕切りを作る壁一面の本棚奥行250mm / Shelf

2014/7/22

東京都中央区の小規模ビルのワンフロアーを使ったオフィスに「Shelf 壁一面の本棚奥行250mm」を設置いただきました。

オフィスの壁一面に縦7コマ×横5コマの本棚を2台並べて設置して、合計で幅3,430mmになる大きな壁面収納を作り出しています。この面は、本棚によって目一杯活用できるようになっています。ビルの躯体の柱が室内に張り出した部分に本棚の右端を合わせているので、柱が本棚の縁取りのように見え、明るさとゆとりが感じられる配置になっています。

床から天井までの高さいっぱいにぴたりと合わせるために、一番下の段で高さを調整してあります。この大きな本棚は、壁にある２つの腰窓のうち、向かって右側の大きい方の窓を完全に覆う形で、また、左側の窓の窓枠の一部を覆う形で、設置されています。いずれの窓も、不透明な線入りガラスの入った窓なので、本棚を設置しても窓からの眺望が損なわれることにはなっていません。

マルゲリータの本棚は縦板と横板にそれぞれ切り込みを入れて嵌合することで形成され、横板は両端の縦材に最小限のボルトで止められており無駄な要素を一切含まないミニマルなデザインで作られています。水平方向への剛性は本棚の4隅に配置したブレース材によって確保されているので本棚の背面には背板を入れる必要がなく、棚板を透かして背後の壁面が見えています。

棚板の厚さは15mmです、この、棚板の見付による細いラインがグリッドを描きます。細く均等に繰り返される格子状の線は障子の桟を連想させる形状を示しながらその壁面の前面に強く出てきて全体のビジュアルを支配します。棚板と背後の壁によって囲まれた、250mmの奥行きのセルが縦横に整然と並び、オフィスの壁面にふさわしい機能を予感させています。また、8つのセルに施されたブレース材の描く斜めのラインが均等なグリッドに集中線のような動きを加えて個性的でクリエイティブな印象も生まれています。

今後個別のセル内に多様な色彩と形状のさまざまなコンテンツが収納されるようになり、出し入れが活発に行われるようになり、動的な機能が発揮されるようになっていったとしても、前面に強く現れるグリッドによって全体のビジュアルの持つ印象は鎮静化されて、美しい壁面へと進化していきます。最前面の棚板の見付はこの面のハイライトになっています。セルの中には天井や床からの反射光が濃淡の影を作りながら届いています。また、本棚の背面にある窓からも光が入ってきています。本棚と直行する壁面には大きな開口部があるようで、青いパンチカーペットの上に明るい外光がふんだんに取り入れられています。本棚を設置することでこの面の窓がひとつ完全に塞がりますが、このように室内は明るく保たれるので、「窓を本棚で覆ってしまう」という大胆な配置プランであっても無理なく選択いただけたようです。

事例の写真は本棚を設置したばかりの状態を写したもので、幾つかのセルにはA4サイズの雑誌などのコンテンツがそっと置かれています。それらを通して背後の曇りガラス越しの光が柔らかく入り込んでいて、この状態はまるで、控えめな間接照明のようにも見えています。棚板の明るい木の色に曇りガラスを通した乳白色の光が反映する、この窓の前のゾーンの収納を完成させると、収めたファイルや書籍などの背後から外部の光が室内に入るようになります。セル内の空間を存分に工夫して使い、実用性と装飾性を兼ね備えた個性的な本棚を作るのも楽しそうです。光を通す素材のオブジェクトを配置してステンドグラスのような効果を発揮させたり、半日陰でも生育する観葉植物を置いて室内に潤いを導入したり、あるいはサイズの揃ったファイルボックスをセルいっぱいに並べて直線的でクールな配置にしたり、と、アイデアが広がります。

この本棚の奥行き250mmは、いわゆる一般的な本棚のサイズです。1コマのサイズは幅325×奥行250×高さ325mmあり、各種の単行本を収納しやすく、ファッション、デザイン、建築分野などに多い、A4サイズよりも少し大きめの雑誌の収納も可能です。ビジネス関係の書類は基本的にA4サイズですが、それらを綴じるファイルやファイルボックスの収納にも適しています。

単行本を収納する際に書籍の背を同じレベルで並べると、背表紙に記載されたタイトルがはっきりと見えて探しやすくなります。こうして書籍をぎっしり並べた本棚全体を大きな色面として捉えると、その前面にグリッドが現れる際の美しさが際立って見えてきます。一方、蔵書が膨大な分量になって収納スペースに余裕がなくなってくる場合には、セル内の空間を活用してA5判やB6判の一般的な単行本と文庫本や新書などの小型の書籍とを前後２列に並べて収納することも可能です。2列に並べる際には専用オプションツール「本棚の中の棚」を使ってセル内に段差を作り、背後の列を見やすく収納することができます。

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