都内アパートにお住いのお客様、そのお住いの一室に「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」縦7コマ×横5コマの本棚を、LPレコード棚としてお使いになられています。この部屋は趣味の収納部屋で、この本棚の反対側の壁はその一面がCD棚になっています。本棚は、幅2,395×奥行き350×高さ2,400mm、広い壁面を目一杯に覆っています。床から天井まで垂直に幅広く積み上がった壁面収納に大量のLPレコードのコレクションが収納されている様子は圧巻です。本棚の背面には標準仕様で高さ70×奥行き10mmの巾木よけカットが施されているので、壁に沿う形で設置できています。
マルゲリータの本棚は、横板と縦板にそれぞれ切れ込みを入れて相互に嵌合させて組み立てられています。横板は両端の縦板に最小限のボルトで固定され、両側から締め付けられています。背板を施す代わりに本棚の四隅にブレース材を配置して全体の平面方向への堅牢性を確保してあります。棚板は短いスパンで固定されているために荷重に強く、奥行き350mmの本棚の1コマあたりの耐荷重は約30kgあります。重量のあるLPレコードを充填させても、棚板にはほとんど撓みが生じません。
1コマのサイズは幅325×奥行350×高さ325mmあり、LPレコードの収納にあわせたサイズです。DJ、レコードショップ、音楽家など多くのプロの方にも大容量のレコード棚としてご愛用いただいています。1コマあたりには約70枚のLPレコードを収納できますので、この本棚の収納可能な38個のセルにフルに充填すると、計算上は2,660枚のLPレコードを収めることが可能です。本件の様子をよく見れば、最上段にはシングルレコードを収納することができそうです。現状では下の2段にまだ幾らかの余裕がありますが、昨今のアナログレコード再評価の流れを受けて、このスペースが埋まる日もそう遠いことではないかもしれません。
LPレコード以外でも、写真集、美術全集、画集などに多い“A4サイズよりも少し大きめ”の書籍を大量に収納できます。ビジネスシーンではA4サイズの書類が主に使われますが、それらを整理格納するためのフォルダやファイルボックスも収納できるため、オフィスのキャビネットとしても広くお使いいただいています。
厚さ15mmの棚板の見付が描く細いラインによるグリッドと四隅に置かれたブレース材による放射状のラインが本棚の外観の特徴です。一見するだけでマルゲリータの本棚だと認識できるプロダクトのアイコンになっています。ブレース材が配置されているために、背板を施す必要のない構造で、棚板の背後には壁が見えます。コンテンツの周辺に隙間ができる場合には特にセルの内側の空間に抜けが生まれて、上下左右を棚板で囲まれつつどこか軽みが感じられるような景観になります。本件のように本棚の最上段をブランクにしておくと、このゾーンは天井との間に整然と並ぶ縦板によって和室の欄間のようにも見えてきます。
本件では、ほとんど全てのセルにLPレコードが充填されています。本棚全体を一つの景色として見ると、セルの内側には夥しい数のレコードの背によって色面が形成されています。この色面は、実際には多色の細いストライプの集積なのですが、様々な色が渾然一体の混合体となってしまうために、遠目から視界に入れると無彩色のグレーとして目に映ります。その「グレーの混合色面」の最前面に、棚板によるグリッド線がくっきりと現れています。一見すると無秩序で乱雑にさえ感じられる色面の上に強く現れたグリッドの視覚効果によって、流れる時間が静止させられたような、あるいは、壁面全体に大きなタペストリーがかかったような印象が生まれて、大量のコンテンツの集積は、より美しい壁面へと進化されています。さらに、四隅のブレース材が描く斜線によって、コミックの集中線のようなスピード感が加わっています。
写真撮影をする際に、本棚の左端の床にお気に入りのレコードジャケットを2枚配していただきました。この膨大なコレクションのイントロダクションといった風情です。LPのレコードジャケットはアートワークとしても機能しています。
そこで、上から3段目あたりのセルを1.2個ブランクにしてみるのも一つのアイデアです。ちょうど目の高さくらいになるそのスペースに、お気に入りのLPジャケット、または最近入手したお宝LPを、あるいは今ターンテーブルに載せている「この1枚」を、ピックアップしてスポットライトを当てるかのようにディスプレイされていいます。
マルゲリータのシリーズには、LPジャケットをアートワークとして飾るために作られた専用のフレームがあります。お部屋の目につくところに、あるいは寝室や廊下にも、お気に入りのLPジャケットを飾ることができます。
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壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
SERIES06
レコード収納
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