千葉市美浜区にあるマンションの子供部屋に「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を設置いただきました。
大き目の本棚
本棚は扉のある壁の前に置かれていて、向かって右側の棚板は直行する奥の壁に沿っています。本棚の背面に巾木カット加工を施してあるため、背面の壁にぴたりと沿わせて設置いただいています。壁と天井と建具が白く、明るい色のフローリングのお部屋には、学習机とピアノも一緒に配置されています。本棚の奥行きを250mmにするか350mmにするか、少し迷われたとの事ですが、絵本やぬいぐるみなどを入れることを考えて、大きめの350mmを選択されたとのことでした。
マルゲリータの本棚は厚さ15mmの縦板と横板に切れ込みを入れて嵌合させて組み立てられています。それぞれの横板は両脇の縦材と最低限のボルトで固定されていて、ボルトの頭が両側の面に規則的に並ぶ様子が側面のアクセントになっています。本棚の四隅にブレース材を配置することで平面方向への剛性を確保してあるために背板をとりつける必要がなく、棚板とコンテンツを透かして本棚の背後の壁が見える構造になっています。また、奥行き全てを収納のために使えます。
収納を考える
本棚のサイズを選択する判断の決め手となった1コマのサイズは、幅325×奥行350×高さ325mmあって絵本やぬいぐるみなどを納めるのに十分な大容量の本棚です。これはランドセル置き場として使える大きさであり、帽子の置き場にもなります。定位置を決めてランドセルと一緒に教材や道具をセットしておけば、学校や塾に出かけるときに慌てて探しものをしたり忘れ物をしたりしないで済みそうです。
最下段には今のところ楽譜が収納されています。楽譜の大きさはビジネス文書などに幅広く使われているA4よりも少し大きめなものが多く、適切な収納には工夫が必要になることが多いのですが、この本棚の高さは楽譜の収納に適しています。本件では楽譜の背を棚の際に揃えて並べてあるため、すっきりとまとまって見えています。
楽譜のような薄い冊子は水平にして積み上げてしまうと探しづらくなり、下に入ったものを取り出すのがとても難しくなってしまいます。その状況を防ぐには、本件のように垂直に立てて並べるのが最適で、グリッドを活かして分類しつつ容易に目的の一冊にたどり着くことができるようになります。今後、楽譜が増えていくにしたがって、この本棚の使い勝手の良さがさらに発揮されていくことでしょう。
まだ、ほとんど収納されていない状態なので、白い壁を背景にして、棚板の作る奥行き350mmの枠組みがはっきりと見えています。子供部屋らしく教材や玩具などが積み上がって背面の壁は隠れていきますが、同時に、最前面には棚板の見付が描く細いグリッドラインがハイライトとして現れてきて、四つのブレース材による斜めのラインが視線を中央に集中させて、本棚全体のビジュアルには美しい統一感が現れていきます。最下段の底板とフローリングとの間のわずかな隙間は室内で最も暗い部分となっています。フローリングに映り込む棚板のラインと相まってこのお部屋を軽く引き締めていますが、木材の質感と柔らかい色合いによって優しい雰囲気も加わっています。
格子状に組み合わさった棚板は天井灯や室内に入る柔らかな反射光を受けて、棚板の奥には少しずつ異なる陰影のグラデーションが作り出され、大きく壁面を覆いながら室内を優しく統合していきます。
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壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
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