ピアニスト門光子さんのピアノスタジオ・練習室に「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」を設置いただきました。
ピアノ練習室
グランドピアノが置かれたピアノスタジオの続きに練習室があり、そのつき当たりの壁に沿って設置した本棚がピアノスタジオから見えています。練習室では、本棚の上に広がる壁と脇の壁が広々と現れているうえに棚板を通して背面の壁面まで視線が届いています。本棚の中央3段目には楽譜が隙間なく収納されていますが、密度濃く収納されているのはこの段だけです。一番下の段には何も置かれていないので、壁の前に棚板がリズミカルに並んでいる様子が見えていますが、まるで棚がフローリングの上に浮いているかのような、とても軽やかな存在感になっています。
FAZIOLI
写真はピアニストの門光子さん。弾いているピアノは、撮影された2014年の時点で日本に10台しかないとも言われていたイタリアのFAZIOLI(ファツィオリ)社のピアノです。1981年創業のピアノメーカーFAZIOLIのピアノは、倍音を整理した透明でクリアな音色が特徴と評されていて、世界中の一流ピアニストたちから大変な注目を集めています。2021年のショパン国際ピアノコンクールで優勝者をはじめファイナリスト3人が起用したことで、その名声が一躍高まりました。最高レベルの技を持つイタリアの職人が熱意と技能を注いで制作するために今も年間に最大で130台ほどしか生産することができないそうですが、いまやクラシックだけでなく、ジャズやポップスなど幅広いジャンルの演奏家から愛好され、非常に高い評価を得ています。そのFAZIOLIのピアノの美しく澄んだ音色がこのスタジオを満たします。
壁面収納
壁面収納としてお使いのこの本棚の250mmの奥行きは、いわゆる一般的なサイズです。最上段と最下段以外の1コマの内部の有効寸法は幅325×奥行250×高さ335mmあり、楽譜の収納にも適しています。楽譜は紙のサイズがバラエティに富んでいるのでストックしたり整頓させて並べたりする際に特別な工夫が必要になる場合もありますが、本件のように楽譜の背を棚板の際に揃えて並べると、見た目を美しく整えることができます。このように横一列にして並べると、必要な時にそのありかを一目で探し出すことができます。
楽譜だけでなくファッション、デザイン、建築の分野などに多い“A4サイズよりも少し大きめ”の雑誌や、A4サイズの書類を綴じるためのファイルなども背表紙を正面に並べて収納できます。また、CDやDVD、あるいは文庫本、新書、コミック本などの小型のコンテンツならば、セルの中に前後2列にして並べることが可能です。
最下段は底板がないデザインなので他のセルより有効高が高く400mmあり、上部のコマに収まらない大型の本やアルバムなどを収納することができます。直接フローリングの上にコンテンツを置くので、少し重いモノでも床を滑らせて出し入れすることができます。本件のように、この最下段を何も置かない状態にしておくと、縦板がリズミカルに並ぶ様子がフローリングの上に現れるため、上の棚にコンテンツがたっぷり収納されていたとしても、不思議に軽やかな浮遊感のある光景が形成されます。
中央の段は隙間なく並べられた楽譜の背表紙で埋められた状態です。少し距離を置いて全体を俯瞰するとと、本棚の真ん中に太い帯が水平にわたされたような状態です。この帯が縦板の見付で7つの等間隔に区切られていて、全体の印象が引き締まって見えています。
上部2段と下部2段の棚には、それぞれのセルにオブジェクトが1つずつディスプレイされていて、このスタジオで奏でられる音楽のイメージを膨らませるような空間になっています。オブジェクトは様々な形状ですが、セルが整然と並んでいるために全体の景観が乱雑になることがなく、軽やかに安定しています。本棚の外観には常に棚板によるグリッドが現れてきますので、壁面は統一感のある景観として統合されています。FAZIOLIのピアノの美しく澄んだ音色で豊かな音楽を奏でるために整えられた環境を、マルゲリータの本棚がそっと支えている様子が、写真からも伺うことができます。
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壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
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