梁下に置く壁一面の本棚
東京都北区にお住いのお客様、そのマンションの一室に「壁一面の本棚 奥行350mm」を、その新居への引越しに合わせて導入いただきました。梁の下に設置するために高さに合わせて縦板をカットして、30mm程度のクリアランスでほぼぴったりに設置することができました。この梁下では本棚の左端の列の背後に一段奥まった部分があります。そこに、元々お持ちだった小さい本棚が置かれ、この本棚を覆うようにマルゲリータの本棚が置かれていますが、配置についてはこれから調節していくそうです。
本棚の造り
マルゲリータの本棚は、厚さ15mmの横板と縦板の相互に切れ込みを入れて嵌合させ構成されています。両端の縦板とそれぞれの横板とは最小限のボルトで止められていて、ボルトによって両脇から挟み込むような力が働いています。本棚全体の平面方向への剛性は四隅のセルに置かれたブレース材で確保されているので、背板を取り付ける必要がなく、棚板を通して背後が見える構造になっています。本件では、床から梁下までの高さと縦板の寸法がぴたりと合っているので、万が一、前のめりの方向へ倒れる力が働いたとしても縦板が梁にかかって転倒を防止します。棚板は短いスパンで固定されているため荷重に強く、この奥行350mmの本棚の場合、1コマあたりの耐荷重は約30kgあります。
大容量の本棚
奥行350mmの本棚は、単行本などを大量に収納できます。ビジネス書などの一般的な書籍に多いB6判や四六判の短辺はおよそ128mmなので、セルの中に前後2列にして並べることが可能です。また、文庫本、新書、コミック本などの小型の書籍ならば3列にして収納できます。書籍を列にして大量に収納すると、後列に入った書籍が見えなくなって探し出すのが困難になりますが、その課題を解決するために専用のカセット式オプションツール「本棚の中の棚」をご用意しています。これは、組み立て式のコの字型の小さな棚で、セルの中に置いて小さな段差を作ります。雛壇のようにして後列の書籍を少し高くすることで背表紙が少し見えるようになり、蔵書の存在を把握でき、探しやすくなります。また、書籍を横に寝かせず立てて並べられるので取り出しやすくなるのもメリットです。「本棚の中の棚」にはサイズのバリエーションがあり、必要に応じて組み合わせてお使いいただけます。
本棚を収納スペースとしてご活用いただくだけでなく、お気に入りのオーナメントやフィギュアのコレクション、フォトフレームやアートワークなどを飾っておくスペースとしても活躍させることができます。「何か形のあるモノ」が「枠の中」に収められると、空間を占有することで形状や色彩などの存在感が高まり、持ち主の「大切に飾る意思」が反映されます。本棚の最前面には棚板の15mmの見付が描くグリッドラインが安定した「枠線」として現れてきますので、隣り合うセルのそれぞれが別々のテイストだったとしても、全体の壁面はまとまりを持つようになります。
ディスプレイ台としての使用を意図しない場合でも、本棚に収められたモノが書斎やリビングの壁面を覆いながら本棚全体のビジュアルはグリッドラインによって落ち着いて、全体の印象が統一されます。
また、敢えてセル内に何も置かずブランクにしておく事により、棚板と壁面に映る間接光の反射が独自の陰影を作り奥行きのある空間が生まれます。最上段をブランクにすると、等間隔で並ぶ棚板によるモダンな欄間飾りのような景観が生まれます。壁を背にしないオープンシェルフとして設置する場合には、視線が通り抜ける効果を活かして二つの空間のつながりを保ちながら、緩やかにスペースを区切ることができます。
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壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
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