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差し込み式CDラック 差し込み式CDラック / Ladder

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お客様のブログ「A Kife in Tokyo」で「Ladder 差し込み式CDラック」を紹介いただきました。

障子と格子

このプロダクトは、日本の伝統的な工芸品である障子の技法に基づいて作られています。障子は、扉や窓に使用される建具であり、四方の木枠に細い縦横の桟(組子)を組み込み、その上に和紙を貼ったものです。日本の伝統建築には欠かせない要素であり、平安時代からその使用が確認されています。縦横の組子が織りなすグリッド状の陰影と、和紙を通して柔らかく差し込む光が、室内に独特の美しい光と影のコントラストを生み出し、独自の雰囲気を作り上げます。

格子もまた、日本に古くから伝わる木組みの技術を活かした美しい建具です。通風や採光に優れ、木の自然な美しさを際立たせる特徴があります。格子にはさまざまな形状のものがありますが、基本的には縦格子と横格子に分類されます。格子戸は、外からの視線を遮りプライバシーを保護する一方で、室内からは外の様子や人の気配を感じ取ることができる、非常に実用的で優れた建具として使用されてきました。

差し込み式CDラックは、格子戸のデザインと障子の細い桟の特徴を活かし、四方の枠を持たず、組子だけで構成されたユニークなオブジェクトです。標準的なCDサイズに基づいて設定された横桟の間隔は、障子と比べると非常に密度の高いものになっています。さらに、この横桟は、鍵のような形状に加工された縦桟と組み合わさることで、ほぼ平面に近い形状を形成します。これらの縦横の組子はNCルーターで精密に加工されており、最終的な組み立ては建具職人の繊細な手作業によって行われます。数値制御された部材が壁に影を落とすと、オブジェクトとその影が交差し、規則的に繰り返される「モアレ」効果が生まれます。この干渉縞の正確な比率からも、デザインの精度が感じられます。

壁に立て掛けるCDラック

壁に立て掛けるCDラック

このCDラックは、四方の枠を持たず、組子だけで構成された、ほぼ平面に近いデザインが特徴です。壁に一定の角度で立て掛けることで成立しており、その角度はCDを差し込んだ際にCDがほぼ床と水平になるように設定されています。

素材は縦桟と横桟で構成されています。ナチュラルタイプでは、縦桟には楢の無垢材が使用され、横桟には針葉樹系のMDFが採用されています。一方、ダークブラウンタイプでは、縦桟にウォールナットの無垢材、横桟には広葉樹系のMDFが使われています。この広葉樹系のMDFは、昭和時代から家電製品などで広く使用されてきた「スターウッド」とも呼ばれる褐色のMDFです。


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