壁面収納
東京都江東区の高層マンションにお住いのお客様、リビングから可動間仕切りを介して連続した部屋の壁一面に「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」縦7コマ×横5コマを設置していただきました。壁面収納としてお使いになるご予定です。天井の高さに合わせて縦板をカットしたため、白いクロスの貼られた天井から明るい色のフローリングまで、その高さをほぼ目一杯に使って、まるで造作家具のようにピッタリと収まった壁面収納が出来上がっています。本棚の背面には巾木よけのカットが標準仕様で施されているので、背後の壁面にぴたりと沿わせて設置されています。
このお住いは高層マンションの30階に位置していて、リビングの北側の窓からスカイツリーを真正面に望むことができるとのことです。本棚を設置した部屋からもリビングを通してスカイツリーを眺めることができるそうです。
本棚の構成
本棚は、厚さ15mmの縦板と横板に切れ込みを入れて相互に嵌め合わせることで構成されています。横板は両端の縦材と最小限のボルトで固定されており、このボルトが両側から内側へと締め付ける力を生み出しています。ボルトの頭が整然と並んでいる様子は、側板に視覚的なアクセントを加えています。棚板は短い間隔でしっかりと固定されているため、重量のあるアイテムを収納しても棚板がたわむことはほとんどありません。本棚全体の平面方向への剛性は、四隅に配置されたブレース材によって保たれているため、背板を取り付ける必要がなく、棚板越しに背後の壁が透けて見えるデザインになっています。
中央の段には、雑誌やファイルや美術展の図録などが置かれていて、横に並ぶ5つのセルがこれらの書籍の背表紙で埋められた状態になっています。少し距離を置いて全体を眺めると、本棚のちょうど真ん中に太い帯がわたされたような景観が表れています。小型の書物はお部屋の奥に設置された既存のスライド式の本棚に収納されているので、この壁面に置かれた本は大きさが揃っています。それぞれの本は目に届きやすい場所を得て、改めてその存在感を生き生きと示しているかのように見えます。
蔵書が並べられた段は、個別様々な背表紙によるストライプが横一列にずらっと並んで出来上がった細長い直方体状の集合体です。彩度の強い色や補色同士、コントラストの鮮やかな大きな文字のタイトルなどが無造作に並んでそれぞれの要素が入り混じっていますが、最前面には棚板の見付による明るい細いラインのグリッドが現れているので、全体の印象が引き締められて見えています。
その上下の段には小物がディスプレイされています。それぞれのセルの中に様々な形のオブジェクトがランダムに並べられていますが、セルが整然と並んでいるために全体の景観は安定しています。今後、収納する蔵書が増え、書籍をぎっしり並べたセルが増えていったとしても、本棚の前面には常にこのグリッドが現れますので、壁面の景観は大きな統一感のある美しい景観として進化していきます。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
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