子供部屋は、成長とともにおもちゃ、学用品、習い事の道具が増え、整理整頓が難しくなりがちです。空間をすっきりと保つための鍵は、効率的な収納にあります。今回は建築設計事務所のプロが提案する、子供部屋に収納を設けるメリットと、設計のコツについて解説します。さらに、記事の後半では具体的な収納アイデアとともに、商品写真も交えて実例をご紹介します。
子供部屋に収納を作るメリット
まずは子供部屋に収納を作ることでもたらされるメリットにはどんなものがあるのかご紹介します。子供部屋に収納を作るか迷っている場合はぜひ参考にしてください。
忘れ物やなくし物を減らせる
子供部屋に収納を設けるメリットの一つは、忘れ物や失くし物を減らせることです。子供部屋には、教科書やプリントなどの学用品、おもちゃや絵本といった遊び道具、さらに習い事やスポーツの道具まで、さまざまなアイテムが集まりがちです。モノが雑然としていると、子供は必要なものを探し出せずに忘れ物や紛失のリスクが高まります。整理された収納スペースを設けることで、すべてのモノに専用の収納場所ができ、探しやすく管理しやすい環境を作ることが可能です。
子供部屋収納で忘れ物やなくし物を減らせる理由
子供部屋に収納を設け、学用品やおもちゃを所定の位置にしまう習慣をつけることで、次に使う時に「どこに置いたか分からない」という状況を防ぐことができます。子供が無理なく管理しやすい収納を整えてあげることで、忘れ物や失くし物を減らすことが期待でき、日常生活がよりスムーズに進むでしょう。
お片付けの習慣が付く
子供部屋に収納を作るもう1つのメリットは、お子様自身が身支度やそのお片付けを行う習慣が身に付きやすくなることです。例えばリビングなど家族の共有スペースに子供のおもちゃや学用品を収納する場合、ほかの家族が散らかったままの様子を見かねて子供が行動する前に片付けてしまい、いつまでも子供の片付け習慣が付かないケースが考えられます。
子供部屋収納でお片付けの習慣が付く理由
子供部屋に収納があると、子供が自ら準備や片付けをする良いきっかけになります。はじめは子供が自分のやり方で片付ける様子を見守り、慣れてきたら子供と相談しながら物の置き場所を一緒に決めることで、成長に寄り添いながら少しずつ片付けの習慣を身に付けるプロセスを踏めるでしょう。ただし、片付けは遊び時間の終わりを意味するため、遊び足りない子供は片付けたがらないことも多く、整理整頓が得意な子供もいれば苦手な子供もいます。中には片付けがうまくできず、苦手意識を持ってしまうこともあります。そんなときは、遊び感覚で片付けができる工夫をしたり、シンプルで使いやすい収納を設けたりすることで、片付けへの抵抗感を軽減できます。片付けのハードルを下げることで、子供も楽しく片付けの第一歩を踏み出しやすくなるでしょう。
自立心が向上する
さらに収納とモノの管理を通じて、子供の自立心の向上が期待できます。子供は日常生活の中で、身の回りのことを自分でできることの大切さを学んでいきます。収納がない子供部屋の場合、遊ぶための部屋という認識になりがちですが、子供部屋に収納があると、自分のモノを自分で管理する能力が自然と育まれます。ほかの家族と共有するモノや空間と、子供自身が管理すべきモノを区別しやすくなり、モノの管理に対する責任感が生まれ自立心の向上に寄与します。
子供部屋に収納を作るときのコツ
子供部屋に収納を作るときコツとして押さえておきたいポイントは「子供の目線に合わせる」「収納方法を簡単にする」「子供の成長に対応できるようにする」「子供のこだわりに合わせてカスタマイズできるようにする」「よく使うモノとそうでないモノを分ける」の5点が挙げられます。それぞれの収納のコツをチェックしてみましょう。
子供部屋収納のコツ① 子供の目線に合わせる
子供部屋の収納は、子供の視点に立って設計することが重要です。子供にとって使いづらい収納は、片付け作業に負担がかかり、片付けが億劫に感じられる原因となります。子供の手が届く高さに収納を設けるか、少ない力で開閉できる引き出しになっているか、全体が見渡せるようになっているかなど、子供の目線に合わせた収納を意識しましょう。こうした工夫により、子供が自然と片付けや管理をしやすい環境が整い、片付けの習慣も身に付きやすくなります。
子供部屋収納のコツ② 収納方法を簡単にする
収納方法がシンプルで簡単なことも、お片付けがはかどるかどうかの決め手となります。収納の分類が細かすぎたり、毎回蓋の開け閉めが必要な収納だったりすると、お片付けの度に手間がかかるので、子供が片付けを敬遠してしまいます。オープンシェルフの見える収納にするなど、なるべく少ない動作で片付けが完結する家具を選び、収納方法を簡単にしましょう。
子供部屋収納のコツ③ 子供の成長に対応できるようにする
幼稚園児、小学生、中学生と、子供の成長過程によって子供部屋に収納するモノは変化していきます。子供が小さいうちはおもちゃや絵本を低い位置に収納する、塾の教材や部活用品が増えてきたらカテゴリごとにまとめて収納する場所を作る、など子供の成長に合わせて工夫しましょう。長く使える飽きのこないデザインの収納家具を選ぶこともポイントです。
子供部屋収納のコツ④ 子供のこだわりを採り入れる
子供の好きな色の収納ボックスを揃える、毎日使う引き出しに好きなキャラクターのシールを貼るなど、子供のこだわりを採り入れ個性を尊重した収納にすることも視野に入れましょう。子供自身が子供部屋を特別な空間として認識するようになり、楽しんでお片付けできるようになると期待できます。
子供部屋収納のコツ⑤ よく使うモノとそうでないモノを分ける
子供は時期によって夢中になるおもちゃや絵本が変化します。ついこの間まで熱心に遊んでいたのにある瞬間から興味を失ってしまうことも珍しくありません。よく使うものとそうでないものを一緒に収納しておくと、子供が欲しいモノを探すために不用意に収納の中身を引っ掻き回し部屋を散乱させる原因になります。子供と相談しながら、最近使っていないモノは別の場所に収納するよう定期的に見直すことで、子供部屋の散らかりを防ぎます。
【実例紹介】子供部屋の収納実例8選
子供部屋の収納を検討する際は、実例を参考にするとイメージが湧きやすくおすすめです。ここからはマルゲリータの家具を実際に子供部屋でお使いいただいているお客様の収納実例を写真付きでご紹介します。
子供部屋の収納実例① 子供部屋の壁面に
出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_507/
こちらの写真の収納家具は、子供部屋の壁面にぴったりと収まり、柱の出っ張りに合わせた奥行きでデッドスペースを無くし、空間を最大限に活用しています。家具の下段には図鑑などの重い書籍を収納し、中段には児童書や参考書を配置することで、子供が無理なく取り出せるよう工夫されています。さらに、上段にはお気に入りのぬいぐるみを飾る見せる収納を採り、学習机に近い場所には書類ボックスを使った見せない収納を設置しています。実用的で整理整頓しやすい工夫が随所に凝らされています。
出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_507/
子供部屋の収納実例② ツインデスク|兄弟で使う子供用勉強机
出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_433/
こちらの子供部屋では、本棚に2人用デスクが付いた収納家具を採用し、兄弟のツインデスクとして活用されています。1人用学習机を2台並べるよりも、ツインデスクを設置することでコンパクトに収まり、限られたスペースを効率的に使えます。デスクの前面には高さのある棚が備え付けられており、座ったまま教科書や書籍を取り出せて便利です。子供部屋にツインデスクを設置することで、兄弟間で勉強の質問がしやすくなり、ご両親も同時に学習を見守りやすくなるメリットがあります。また、デスクと棚が一体となっているため、中央の棚列には共有して使う物を収納することで、兄弟の誰がどこに何をしまったかがわからなくなるのを防げます。
出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_433/
子供部屋の収納実例③ 子供部屋の学習机
出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_412/
このご家庭では、学習机と本棚が一体化した家具を子供部屋に採用し、机まわりに勉強道具をしっかり収納できる、集中しやすい学習スペースを整えています。棚のサイズに合わせた専用カセットは引き出し式になっており、文房具や小物をすっきりと見せずに収納するのに最適です。また、高い棚の部分は子供の手が届きにくいため、使用頻度の低い物の保管場所として活用されています。机の正面には棚を置かないことで、時間割や日本地図などを貼れる壁のスペースを確保しています。さらに、机下にはキャスター付きの収納を設置し、デッドスペースになりがちな机下の空間を無駄なく活用する工夫がされています。
出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_412/
子供部屋の収納実例④ 三人兄弟の子供部屋レイアウト
出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_333/
次にご紹介するのは、3人兄弟のいるご家庭の子供部屋です。こちらでは2つのアンダーカウンター本棚を並べ、それぞれの区切りを活かして3人分の学習スペースを確保しています。兄弟それぞれの勉強道具やおもちゃは机下の収納に片付けるというルールを設け、机の上を広々と使えるよう工夫されています。また、間仕切りを使わず空間を遮らないシンプルな収納とレイアウトにすることで、兄弟が多くても窮屈に感じない、広々とした子供部屋を実現している実例です。
出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_333/
子供部屋の収納実例⑤ 子供部屋の天井に合わせて
出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_73/
こちらの子供部屋では、天井の高さに合わせた壁一面の本棚を設置しています。屋根の傾斜に沿って右端の側板を丈詰めしているため、天井ギリギリまでスペースを無駄なく活用できています。広々とした収納スペースが確保されているため、子供が好きな本や小物を思う存分に収めることができ、楽しみながら整理整頓できる工夫がされています。
出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_73/
子供部屋の収納実例⑥ デスク付き本棚がある子供部屋
出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_560/
こちらの子供部屋では、壁一面の本棚とデスクが一体化した家具を使用しています。一体型の家具は、スペースを無駄なく活用できるだけでなく、バラバラに家具を揃えるよりもインテリアに統一感が生まれやすく、おしゃれな子供部屋を目指すご家庭におすすめです。また、棚の最下段に専用のカセットを使うことで、中身を見せずに収納ができ、「見せる収納」と「見せない収納」のバランスが取りやすくなります。
出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_560/
子供部屋の収納実例⑦ 子供の勉強部屋に
出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_264/
子供の勉強部屋に置かれた縦7コマ×横7コマの本棚は、収納力が抜群です。本の収納としてはもちろんのこと、イラストや人形を飾ったり、文房具収納を置いたりと、自由な発想で見せる収納を楽しまれている様子がうかがえます。優しいホワイトカラーのスッキリとした本棚のデザインに加えて、子供部屋に置かれた観葉植物によって勉強に集中できる環境と安らぐ雰囲気を両立し、子供にとって居心地のよい空間となっています。
出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_264/
子供部屋の収納実例⑧ 間仕切り本棚を姉妹で仲良く使う
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子供の勉強部屋に置かれた縦7コマ×横7コマの本棚は、収納力が抜群です。本の収納はもちろん、イラストや人形のディスプレイ、文房具収納を配置するなど、自由な発想で見せる収納を楽しんでいる様子が伝わります。優しいホワイトカラーでスッキリとしたデザインの本棚と、子供部屋に置かれた観葉植物が、集中しやすい環境と安らぎのある雰囲気を同時に作り出し、子供にとって居心地の良い空間となっています。
出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_605/
まとめ
本記事では、子供の個性や兄弟構成、お部屋の大きさに応じた各ご家庭の子供部屋の収納実例と、上手な収納と身に着けるべきお片付けのコツをご紹介しました。ぜひ子供部屋の収納のご検討にお役立てください。大容量で使いやすく、おしゃれなマルゲリータの家具は、さまざまな子供部屋にフィットします。シンプルで飽きのこないデザインのため、将来お子様が成長された後も、親御さまの書斎やリビングなどへの転用が可能です。子供部屋の収納をお考えの際は、マルゲリータの家具を選んでみてはいかがでしょうか。
SERIES01
子供部屋レイアウト
このシリーズではマルゲリータ家具を使用した子供部屋の考え方、レイアウトなどを実例をもとに紹介しています