横浜市にお住いのお客様です。リビングに接続する書斎に「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm ロータイプ」を設置いただきいました。
腰壁
「腰壁」とは、人の腰の高さより下の位置に設置される壁のことです。床から約1メートルまでの壁は、人が手や足で接触する可能性が高いため、汚れや傷を防止する目的で、汚れにくい素材で仕上げられることが一般的です。特に業務用のカートやストレッチャーが日常的に通過する場所では、ステンレス板などが壁の仕上げの上から防御材として貼られていることが多く見られます。これにより、壁の耐久性が向上し、長期間にわたり美観を保つことができます。また、腰壁の色を床材と同系色または同一素材で仕上げることで、空間に統一感が生まれ、心理的にも落ち着いた印象を与えると言われています。このような設計により、機能性とデザイン性の両方が高まります。
おしゃれな構成
腰壁の設置は、壁の損傷を防ぐという本来の機能に加えて、室内にいる人に守られているという感覚をもたらします。この守られている感覚は、意外なほど心地よく、トラディショナルな空間においてもおしゃれな感じを与えます。特に、本件のように腰壁部分の上部、つまり開放された収納上部の壁面に額装された絵が飾られている様子は、腰壁の機能とデザインを軽やかに継承しているように見えます。この配置により、腰壁はその防御機能を発揮しつつ、空間に洗練された美しさと安定感を提供します。
こうしたデザインの工夫により、機能性だけでなく心理的な安心感や心地よさがもたらされ、居心地の良い空間が実現されます。この様に腰壁は本来の機能を持ちつつ更にそれが一つの建築的な手法として発展定着した普遍的な手法と言えます。
見せる収納と見せない収納
本棚はこの様に腰壁の高さに整然と並び最下段には「ファイルボックス 1列」、「A4書類引き出し」が並べられていて日用生活雑貨、大事な書類等がその姿を見せずに収納されています。本棚のそれ以外のセルは書籍でほどよく埋め尽くされ、見せる収納としてそこにあります。最下段にファイルボックスが並ぶため色彩的にも落ち着く並びになっています。特に最下段にあっては通行の際も、殆ど目に入らない位置にあるためさりげなく見せる収納と見せない収納を上手に使い分けているという印象を受けます。
本件は腰壁ではなく室内の腰部分をロータイプの本棚が廻ります。しかもその一面2段にして窓の下端を避け腰より下が収納物、腰から上は空白、もしくは展示物という構成です。棚の上部にモノも置けますがここでは窓下の面を除き特に物は置いてありません。そのことがこの水平に伸びるロータイプの天板のラインを強調し室内が非常に静かな印象を与えます。更にその静かな空気の中に割って入る様な額装された絵の見せ方もエレガントです。腰壁に対する心理的な安堵感が定着している状態でこの腰部分を廻る本棚は見え方としては腰壁です。この室内の状態が落ち着いた中に安堵感も醸し出しているのはまさにそういった理由です。
本棚の中の棚
本件では専用アクセサリーの「本棚の中の棚」を多くお使いいただいています。この本棚は奥行きが350mmなのでセルの中に一般的な書籍を前後2列に並べて収納することが可能です。
教科書などに使われるA5判や単行本に多いB6判や四六判の書籍は、その高さが180-200mmほどなので、これらを後列にして前列に高さ148mmの文庫本や173mmの新書を置けば、後列の蔵書の背表紙が少し見える状態になります。しかし同じサイズの書籍を前後に2列並べてしまうと後ろの列の書籍は埋もれて見えなくなってしまいます。
そこで、「本棚の中の棚」を使って後ろの列を少し高くすることで、背表紙が一部分見える状態になります。本棚の中の棚は大量の本を収納できる本棚の機能を最大限に活用していただくためのツールです。カセット形式のオプションで高さと用途に応じて4種類から組合せによっては6種類からお選びいただけます。たくさんの蔵書をお持ちの方は、その蔵書がそこに並んでいる状態を視認できるようにすることが読書の楽しみの大切な要素でもあります。
アクセントウォールを背景に
この部屋の壁の一面はアクセントウォールになっていて何も置いてなければこの部屋でまず最初に気づくべく存在でした。しかしそのアクセントウォールの面は水平展開するロータイプの3段の本棚が左側で小窓を避ける形で2段になります。アクセントウォールを背景にこの部分的にイレギュラーな並びをとるロータイプの本棚、小窓の配置が絶妙です。しかも部屋に入った際に最初に目に入る箇所でそこから水平に流れながら部屋を一周する様子は圧巻です。
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