千葉県の閑静な住宅街にある戸建住宅に新しく住まわれたお客様。ご主人の書斎のアナログレコード専用棚として「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm ロータイプ」をご利用いただいています。
傾斜のある高い天井と開放的な室内に呼応する形で高さの違うレコードラックを壁に沿って配置され、ゆったりとした心地よい空間を作られています。
リスニングルームの構成比
石井伸一郎著「リスニングルームの音響学」によるとオーディオルームやホームシアターで“いい音”を得るためには、その音を鳴らす部屋の縦横高さの比率が重要であり、「1 : 1.18 : 1.38」の比率が最も良いとされています。それはオーディオ機器もさることながら、部屋の構成も大事である事が伺えます。
スピーカーの置かれている場所の天井が高い
スピーカー、オーディオ機器、アナログレコードが部屋の4面に置かれ一箇所に固めずに水平展開をされているのが特徴です。通常はアナログプレーヤー、アンプ類、レコードラックを手元に並べスピーカーを離れた位置に於いてその中心軸上に座って聴く、というのが一般的です。しかし本件ではスピーカーの中心線の軸上にその一つがあることはそのままでアナログプレーヤーは分散して3台置かれレコード棚も一か所に固めずにコの字型でリスニングチェアを囲うように配置されています。レコード棚を含めた機器類の上部が空いているためそのまま勾配屋根の天井に向けた吹き抜けの下、気持ちのいいリスニング空間が広がります。
ここでそのスピーカーの位置がこの部屋で最も高い勾配天井の頂上に近い位置にあるためほぼ前述の「1 : 1.18 : 1.38」に近い比率が出来ているのではないかと見ています。またスピーカーが勾配天井の傾斜面に向かうので天井面での音の反響も自然な形で広がっていく様子が分かります。更にその勾配天井が周囲の壁の色とは違ってアクセントカラーになっているのも部屋の形が一瞬で認識できることに繋がります。
開放的な音楽室
入り口から見た室内の様子もオーディオルーム特有の閉鎖感がなく機器類が見えなくリビングルーム的な見え方になります。入口を通して見た抜け感がそうさせている様にも見えます。特に入り口側の天井が高いのがその効果を更に増しています。それがこのリスニングルームが開放的な音楽室たる一番の要素で自然に音楽を楽しむ自然な空間が自然に出来上がっている点です。更にその根底にあるのはリスニングルームの構成比がほぼ実現できている点に尽きると言えます。
大きな枠が出来るとそこに自然に展開できる様々な要素、音響機器、レコードラックが水平展開している様が空間をより心地よい音場に昇華させています。
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SERIES06
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