大容量コミック本棚を2台並べる
漫画家・歌手・俳優・脚本家・小説家・映画監督としてマルチに活動されている内田春菊さんのご自宅に「Shelf 壁一面のコミック本棚 奥行180mm」を設置いただきました。
世田谷区のご自宅の2階、階段を上がったところの廊下部分に設置させている様子です。ご職業柄、単行本、コミック本、の類はまさに部屋中に溢れるほどあり、それをこの度一同に集積しました。実はまだまだここに入りきらない本はたくさんあるのですがそれは今後の課題として、とりあえずはこの度何とか納まりました。
縦11コマ×横7コマの本棚の最下段と最上段には横板が設置されていません。下方の横板とフローリングとの間には空間ができ、縦板が等間隔で並ぶ様子が見えていて、縦板によるハイライトと影のコントラストが印象的です。また、敢えてブランクにしてある3列目と5列目や最下段を視線が通り抜ける視覚効果によって、大型の本棚であるにも関わらず軽やかに浮遊した感じが生まれています。また、縦横が固定された棚板が繊細なグリッドを作っているため本棚自体の見た目の印象が明るくなっていて圧迫感がありません。グリッドラインはどこか障子の桟を連想させるため、光を含んだその背後には別の空間が想像されて、リビングの高い天井の効果も相まって、本棚のビジュアルはさらに軽やかな印象になっています。
書籍は一般的には判型が限定され形状がほぼ揃っている製品ですが、背表紙の色彩には大きな振れがあります。これらをマルゲリータの本棚に収めると、横板によって底面の水平ラインが揃い、さらに縦板によって細かく仕切られるために壁面全体が安定した印象になります。本件でも収納された書籍の背表紙の集合はカラフルな混色の色面を形成しつつ等間隔の横板に水平に並び、さらに縦板によって細かく区切られて、全体として統合された見え方になっています。
フローリングと白い壁面との間に設置された本棚は、棚板の木の色と棚板の組み合わせによってできる陰影の濃淡、さらにはブレース材の斜めの線によって、壁面に心地よいアクセントを付け加えながら部屋の空間に自然に馴染んでいます。
壁面の幅に合わせて横4コマに加工してあります。廊下の両脇に本棚を配置しましたが、いずれも奥行180mmの浅い棚のため、廊下の幅も確保されています。この本棚は室内からは全貌が見えず、通路を通る時にだけ本の存在感が視界に入ってくる、動的な要素を内包した配置になっています。
この本棚は背板がないため、例えばその向こう側が明かり取りになっている窓に対してもその機能を損ねることなく置くことが出来ます。今回の場合1階の玄関及び階段部分が吹き抜けていてそこから漏れる微かな明かりをこの窓を通して二階のリビングでも拾っていたためその様子は形を変えて保つことが出来ました。
単行本のサイズより少し大きめのA4版の本も少し大きめの最下段及び天板のない最上段にしまうことが出来るためほぼサイズにとらわれることなく納めることが出来たみたいです。
ご本人から素敵なお写真やコメント入のイラストも頂戴しました。ありがとうございます!
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