都内の戸建て住宅にお住いのお客様です。ドライエリアに面した地下室にお子さんの遊戯室があります。そこのコンクリート打ち放しの壁を挟んで少し奥まった位置に「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」を天井目一杯まで梁を避けながら、また階段の段板も躱しながら、立体的に複雑な状況の中、綺麗に収めておいでです。
この場所は居室からだけでなく、反対側にある蹴込みのない階段の段板の隙間からもその存在が確認できるスペースです。何も置かない状態では、そこから見るとドライエリアに続く開放的で抜け感のある視界が広がります。しかし、その一方で用途的にはデッドスペースになりがちであり、収納スペースという観点から見ると何かを置きたくなるニーズが生じやすい場所でもあります。
この場所は、見た目の美しさと機能性のバランスを取るのが難しいエリアです。開放感を保つために何も置かないか、実用性を重視して収納スペースとして活用するかの判断が求められます。棚やキャビネットを設置して収納機能を持たせる一方で、視覚的な圧迫感を与えないデザインを選ぶことができれば、この空間を有効に活用できます。さらに、このスペースの利用方法によって、家全体の印象や使い勝手が大きく変わるため、慎重な計画が必要です。このように、このエリアは見た目の魅力と実用性を両立させることが特に難しい場所です。
その場所を天井目一杯まで収めた本棚の上部には家族の書籍関連が並び最下段を含めた下方のセルにはお子さんの玩具をボックスに入れながらコンパクトに収めておいでです。打ち放しコンクリートの壁に半分隠れて少しだけ居室側にその姿を見せているその姿は、まるでその奥にそのまま続くかの印象をも与え、空間を奥深いものにしています。
室内の打ち放しコンクリートとシナ合板の素材の相性は特に良く、その組み合わせがストイックで洗練された雰囲気を醸し出しています。これらの素材が持つ独特の質感と色調は、見た目の清貧さと機能性を両立させています。さらに、配置された観葉植物が効果的に空間を引き立て、自然の要素を取り入れることで、全体に柔らかさと温かみを加えています。
このようにして、ドライエリアへと繋がる心地よいスペースが形成されており、リラックスできる快適な環境を提供しています。観葉植物の緑が、コンクリートとシナ合板の質感と対照的に映え、そのバランスの取れたデザインが、シンプルながらも印象的な室内を作り上げています。
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