千葉県の閑静な住宅地の戸建て住宅にお住まいのお客様です。
1階のリビングおよび2階の吹き抜け状の階段に面した廊下に特注の「Shelf アンダーカウンター本棚」をお使いいただいてます。
「Shelfアンダーカウンターの本棚」をその戸建て住宅の二ヶ所に設置いただきました。というよりも本件はこのお客さんからのご希望で「Shelfカウンター付き本棚」の上部の本棚を無くしてカウンター部とその下の本棚だけで構成した本棚付き机を作りたいというご要望をいただきそれにお応えしたものです。
リビング学習机も兼ねたカウンター下本棚
まず1階のリビングの窓に面した一面。まだ小さなお子さんがいらっしゃるご家庭、そのお子さんの勉強机を机下収納の本棚でこの様に窓下に配置してあります。勉強机と言ってもリビングに置くのであまりそれらしい形ではなくあくまで使っていない時でも自然な存在でいたいため本は全て机の下の棚に仕舞い普通にはあまり目に入らない様に工夫されています。リビング学習が最も自然な形で実現できる手段と言えます。ダイニングテーブルと同じ高さのためもちろん学習机以外の用途にもお使いいただいてます。ダイニングルームにPCがあるのも自然な形でフットワーク軽く家の中で様々なワークが出来る姿が浮かびます。
ここでリビング学習とは、リビングダイニング特にダイニングルームに置かれているテーブルを学習場所として使う学習法です。一人で静かな空間で勉強する子供部屋ではなく適度な雑音が聞こえるリビングで学習する方がほどよい緊張感と安心感の中で勉強ができ、分からないところがあってもすぐに質問することができ学習能率が高まると言われています。
その様に昨今話題のリビング学習ですが、メリットばかりでなくデメリットもあります。
デメリットで一番大きな点はリビング、特にダイニングのダイニングテーブルが勉強道具で散らかるという点です。これはまさに収納で解決できる点でもあります。リビング学習をすると、ランドセル、文具、教材、プリント等といった学用品がダイニングテーブルにいつの間にか集まってきます。おしゃれにコーディネートされていたはずの部屋が食事のたびに教科書やノートを片付けさせて、消しゴムのカスを掃除して、といつの間にかカオス的な様相を呈していきます。またダイニングテーブルで勉強をすると意外と手元は勉強をするのには暗いので視力低下をも引き起こします。デスクライトを置けば解決はするのですがそれがまた食卓のカオス化に拍車をかけます。快適な学習環境とスタイリッシュな生活空間はこの様に意外と両立が難しい事が分かります。
このアンダーカウンター本棚はダイニングテーブルと並行して置かれているのでお子様の勉強机としてはそのままそこで勉強、またダイニングテーブルの上を散らかすこともないので自然な形で物事に取り組めます。また収納は全て机下になるので机上には物を置かないという習慣も自然に身に付きます。机上が片付くと立った位置からダイニングを見た時にそこがリビング学習の拠点になっているイメージはなく、あくまでダイニングに並列する窓下の机に見える点も優れた点です。
ダイニングテーブル越しに机下収納を見たところです。現在はご家族共有の机(今は遊び道具、絵本等を収納)にされ机上にはPC以外何も置かれていなくお子様の本は全て机下の本棚に収納されとても綺麗な使い方をされてます。
アンダーカウンター自体は5コマのサイズと幅調整をした3コマのサイズのものがぴったり入る様に製作しリビングに入った正面突き当たりに置かれています。言われなければ気付かないほど部屋に馴染んだ形で存在します。同時にリビング学習としての機能を実行できる上手な配置です。
アンダーカウンター本棚はその上部が広く使えるというメリットがある反面当然ながらそこに期待されていた収納量が減るというデメリットもあります。しかしこの様にその存在に気付かないほどさりげなく部屋を広く感じさせる大きなメリットがあることもあらためて分かります。
吹き抜けを見下ろす机下収納
階段で2階に上がるとその階段吹き抜けに面したアルコーブにも「Shelfアンダーカウンターの本棚」があります。ここはこの家のご主人の書斎兼ワークスペースとして7コマのアンダーカウンター本棚をお使いいただます。階段の吹き抜けに面した腰壁に充てがう様に置かれた机に座ると目の前が大きく広がるため非常に気持ちのいい抜けた空間が得られます。更に背後には既存の本棚が置かれていてテレワークの環境にもなる使いやすい書斎が構成されています。
廊下を書斎に活用する
ここで特筆すべき点としてはそもそも2階のこの場所は元々部屋ではなく広めの廊下であったということ。この住宅の2階には部屋が3室あるため階段を上がるとその先の3室に入るためのアルコーブがあり通常の廊下よりもやや広めのサイズになってる、というものです。そこを活用してのインテリアレイアウトです。
机下の収納そのものをご提案いただいたお客様ですが、その置き方、使い方ともに大いに参考になるご自宅でした。
カウンター付き本棚の開発経緯
「Shelf カウンター付き本棚」が開発された時点では、基本的に本棚の棚板を前面に伸ばしそれを机として利用、本棚は机上部分も机下部分もそのままで使うという設定でした。あくまで本棚に机が付いているという考えです。その際問題になるのが机に座った時に足の邪魔にならないかという点です。机に向かって作業をする際に机の下で足を組んだりあるいは投げ出したりするということはよくあります。机下の本棚が脚の邪魔にならなく、同時に机上で作業をする際に本棚があまりに遠すぎると資料を取り出すのに支障を来たすのでそれに適した長さ、というその相反する事象の最大公約数としてカウンターの出寸法550mmを決めた経緯があります。
アンダーカウンター本棚はそのカウンター付き本棚の机上より上の本棚を取り払い机上面を広くして残った机下の棚と広い机上面を使っていただくためのものです。その意味ではデスク下の収納量及び脚を組んだり伸ばしたりするスペース、そして広い机上面が得られる最もコンパクトなサイズのツールであると言えます。
ここでは背面に本棚を置きそれと並行にカウンターが配置されています。カウンターに座ると吹き抜け状の階段を見下ろせる気持ちのいい空間が得られます。
更にその本棚とカウンターに挟まれたスペースを通して違う部屋に行けるといった平面的な納まりもよく考えられています。1階同様に机上にはPC以外何もなくここでもややもすると雑然となりかねない空間が上品に仕上がっています。
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壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
SERIES21
机下収納
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